『違国日記』公開舞台挨拶、新垣結衣&早瀬憩サプライズの手紙に互いに感涙!

累計販売数180万部を突破し「心が救われる」「人生の本棚にはいった」など多くの共感を得た同名コミックを映画化した『違国日記』が現在公開中だ。

人見知りな小説家の高代槙生(35)と、その姪・田汲朝(15)の対照的なふたりの同居譚。なかなか理解し合えない寂しさを抱えながらも、丁寧に日々を重ね生活を育むうちに家族とも異なった、かけがえのない関係になっていく。今、世界が必要としている、優しさの形を提示するヒューマンドラマ。
原作は、「さんかく窓の外側は夜」など多くの人気作を生み出したヤマシタトモコの同名漫画。人見知りな30代女性と人懐っこい素直な15歳の少女。まったく性格も異なるふたりの交流を軸に、他人との関わり合いや大人が抱える正直な悩みを鋭くも優しい視点で炙り出し、惜しまれながら6年という連載期間を経て23年6月に最終回を迎えたが、連載終了後も人気の高さが話題となっている。

本日6月8日(土)、映画の公開を記念しW主演を務めた新垣結衣、早瀬憩、本作のイベントは初登壇となる瀬戸康史、そしてメガホンをとった瀬田なつき監督が公開記念舞台挨拶に登壇した。

上映後の会場から大きな拍手を浴びて、晴れやかな笑顔でステージに上がった登壇者陣。人見知りである小説家の高代槙生を演じた新垣は「公開を迎えるまで、どのように皆さんに受け取ってもらえるのだろうかとワクワクと不安が入り混じる気持ちでした」と打ち明け、「今日はすごくホッとしています。ちょっとフワフワしています」とにっこり。新垣とW主演を果たして、朝役を演じた早瀬は「撮影から1年が経って、こうして皆さんに映画を観ていただけることがとてもうれしいです」と感無量の面持ちを見せた。槙生の元彼である笠町役の瀬戸は、本作のイベントに初参加となった。瀬戸が「撮影日数は少なかったんですが、お二人が醸し出す雰囲気が大好きで、とても印象に残っています」と2人のコンビネーションの良さについて触れると、新垣と早瀬は恥ずかしそうな笑顔を交わしていた。

6月7日(金)より映画が公開となり、キャストたちもすでにたくさんの反響を受け取っているという。「私自身も原作が大好き」だという新垣は、「槙生を演じるのが、私でいいのだろうかと撮影中も思っていましたし、撮影が終わってからも『大丈夫だったかな』とずっと思っていて。皆さんから温かい言葉をいただけると、本当にうれしいです」と原作ファンだけにプレッシャーもあった様子。「今も本当にドキドキしている」と緊張を口にすると、瀬田監督が「私の中で、槙生は新垣さん」と太鼓判。続けて瀬田監督が「言いたいことを言えて、聞きたいことを聞けるような雰囲気を作れたらいいなと。楽しんでやってもらえたらいいなと思っていました」と撮影中は穏やかな空気作りを心がけていたと話すと、新垣も「監督がこういった方なので、ゆったりとした日々を過ごしていました。その空気感が、映画にも滲み出ているのではないかと思います」と監督に厚い信頼を寄せていた。

特に注目してほしいポイントに話が及ぶと、新垣は「たくさんある。全部観てほしい」と悩みながらも、瀬戸が演じる笠町の名前をあげた。「笠町くんのキャラクターが、瀬戸くんの身体や佇まいからも滲み出ていた。ものすごくステキでした」と称えると、瀬田監督は「お会いした時に、安心感があった」と瀬戸の醸し出す包容力がキャスティングの決め手になったとコメント。さらに新垣は「朝ちゃんもすごく魅力的。バンドのシーン、観ました?すごいステキ!」と熱を込め、「全部、注目してほしい。私も頑張りました(笑)」と大好きな場面ばかりだという。早瀬も「決めきれないぐらい、たくさんある」と目尻を下げつつ、「劇中には、『いってきます』と『いってらっしゃい』というやり取りが数回出てくるんですが、最初と最後では全然違う。最後に槙生ちゃんが『いってらっしゃい』と言ってくれた時の顔や姿からも、これまでの日々を経た槙生と朝の関係性が見えるので繰り返し見て発見してほしい」と何度も楽しめる映画であることをアピールしていた。

新垣と早瀬のW主演作が公開となったが、6月は映画公開だけではなく、新垣と早瀬がWバースデーを迎える月でもある。新垣は6月11日に誕生日を迎えることとなり、早瀬は6月6日の誕生日に17歳となった。ステージには2人を祝って、サプライズで特製のバースデーケーキが登場。新垣と早瀬は「ええー!」と目を丸くしながらも、体をくっつけ合って大喜び。会場からも大きな拍手が上がる中、早瀬は「すごいです!顔がついています!」と2人の顔を描いたケーキを見て声を弾ませ、「まさかこんなふうにお祝いをしていただけるなんて思っていなかったので、すごくうれしいです」と感激しきり。新垣は「まだ迎えていなかったので。お祝いしてもらえると思っていなくて、びっくりしています」とちょっと早いバースデープレゼントに驚きながら、「ありがとうございます」と早瀬と一緒に楽しそうにケーキに見入っていた。

新垣にはもう一つ、サプライズがあった。本作で映画初主演を務め、初めて映画のプロモーションにも励んだ早瀬から、ダブル主演として撮影からこの日までいつも引っ張ってくれた新垣に向けて感謝の手紙がプレゼントされた。ステージで手紙を読み上げることになると、早瀬は「もう泣きそう。緊張しちゃう」と声を絞り出し、新垣は「私も」と心を寄せた。大きく深呼吸をした早瀬は「結衣さんへ」と切り出し、「結衣さんと出会って1年が経ちました。『違国日記』の公開までまだまだ先だと思っていたけれど、ついに公開を迎えました。うれしい反面、結衣さんと会える機会が少なくなると思うと、とても寂しいです」と読み始めると大粒の涙をこぼした。

声を震わせながら必死に言葉を伝えようとする早瀬の姿に新垣の目にも涙が光る中、早瀬は「いつも寄り添ってくれた槙生ちゃん、結衣さんから巣立っていかなければいけないんだという気持ちです。映画の撮影中は監督とディスカッションをして、役や作品に愛情を持って撮影に挑んでいる姿を間近で見せてくれました。取材ではそばに寄り添ってくれて、作品について話している姿を見て、より尊敬が深くなりました。結衣さんは私の憧れであり、目標です。結衣さんの出演作品の一つに、私も出演ができたことは誇りです。結衣さんはよく『そのままでいいよ』と私に言ってくれます。自信のない私にとってそれはとても心強く、やさしく背中をさすってくれるような言葉です。これからも結衣さんに教えてもらったことを胸に、そのままの自分でお芝居を続けていきます。最後にいつもやさしくて穏やかで、でも意外とお茶目な結衣さんが大好きです。本当にありがとうございました」と感謝の言葉で締めくくると、新垣は早瀬を抱き寄せて2人で涙。もらい泣きする人の姿も見受けられた会場からは、温かな拍手が沸き起こった。

すると瀬戸はそっと早瀬にハンカチを差し出し、さらにもう一枚持っていたハンカチを新垣に渡し、これには新垣も「ええ!スマート……!笠町くん」とキャラクターと重ね合わせて、観客も大笑い。「やられてしまいました。こういう場では(涙を)我慢をするようにしているんですが」と降参した新垣は、「憩ちゃんが隣で頑張っているのを見ると、自分も頑張れました。『できることがあればしたいな』と思うような力をもらっていました。『結衣さんが槙生でよかった』といつも褒めてくれるんです。それがいつも心の支えになっていました」と早瀬への相思相愛の思いを告白し、「今日は手紙までもらって。誕生日のお祝いができてうれしいなと思っていたけれど、まさかこんなサプライズをいただけるとは思わなくて。すごくうれしいです。ありがとう」と早瀬にメッセージ。早瀬も「ありがとうございます」と心を込めると、2人の紡いだ絆に再び会場から拍手が上がっていた。

最後に早瀬は「涙と鼻水でぐちゃぐちゃです」と照れ笑いを見せながら、「『違国日記』は私にとって大切な出会い、大切な作品になりました」としみじみ。新垣は「この作品の中で言われている『違う人間だから、わかり合うことはできない』というのは、本当にそうだなと思っています。『それでも寄り添うことができる』ということを、この映画では一つのメッセージとしてお伝えしています。私たちは違う人間なので、感じ方もさまざまだと思います。いろいろなことを感じながら、一つの作品を観て同じ時間を過ごせることはすごくステキなことだなと改めて思いました」と映画の力を噛み締めながら、観客や本作に関わったたくさんの人に感謝を述べた。サプライズと笑顔、そして涙にあふれた舞台挨拶に、会場からは何度も拍手が上がっていた。

◆違国日記
(C)2024 ヤマシタトモコ・祥伝社/「違国日記」製作委員会
6月7日(金)より全国ロードショー
【配給】東京テアトル ショウゲート
新垣結衣、早瀬憩、夏帆、瀬戸康史

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