守備から攻撃まで! 羽澤慎治がバックハンドスライスの“打ち方”に加え“使い方”も指南!【プロが明かすテニス上達法】<SMASH>

プロテニス選手は、高度なショットをいとも簡単に叩き込む。なぜあんなボールが打てるのか? その秘訣をプロ本人に明かしてもらうシリーズ。今回は慶應義塾大学出身のプロ、羽澤慎治選手の2回目。バックハンドスライスの打ち方だけでなく使い方についても教えてくれた。

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僕はペースを落としたい時にバックハンドスライスを使います。ミスのリスクが少なく、タイミングや高さを容易に変えられるので、ラリーの中で重宝しているし、カギになるショットだと思っています。

高い弾道のスピンを打った後に、低いスライスを送ると、相手の目線を変えることができて効果的です。守りの時だけでなく、普段から混ぜたり、最近は攻撃的な使い方も練習していますね。

例えば、バック側にボールが来て少し時間があり、どちらにでも打てる時、コースを隠して相手の逆を突いたり、低い打点で取らせたり、角度をつけたりといったことです。一口にスライスといっても色んな選択肢があります。
技術面で意識しているのは、あまり切らないということです。ボレーに似た感じで早めにラケットをセットして(写真1コマ目)、面を少し開いたまま前に真っすぐ振っていく(3~7コマ目)。そうするといいスライス回転がかかります。

感覚的にはボールを切るというよりも“乗せる”イメージですね。それには面が完全に垂直だと乗りにくいので、少し開いてボールを長く捉える意識で打っています。長いほどボールが飛んで、伸びも出てくれます。

バックのスライスはアプローチでも使いますが、アプローチはポジションが前になるぶん飛距離が短くなるので、普段よりは乗せずにキレ重視になるでしょうか。

あと、スライス全般で注意しているのは、身体を開かないことです(7コマ目)。開くとコントロールが効かなくなるので、常に抑える意識を持っています。

【プロフィール】羽澤慎治/はざわしんじ
1999年4月12日、兵庫県生まれ。176cm、73kg、右利き。慶應義塾大学出身。サーブ&ボレーを絡めた攻撃的なテニスが持ち味で、全日本選手権で2度8強入り。23年にITFツアー初優勝を飾り、JTAランキング15位をマークした。ダブルスも得意にしITF6勝、22年には神戸チャレンジャーを制している。JCRファーマ所属。

構成●スマッシュ編集部
取材協力●SBCドリームテニスツアー
※『スマッシュ』2022年11月号より再編集

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