藤尾翔太と平河悠にとってパリ五輪とは? 一生に一度の大舞台への想い「凄い大きな分岐点」

2024年7月に開幕するパリ五輪。その大舞台に臨むメンバーに選ばれるためにも、この6月は藤尾翔太や平河悠にとって重要な1か月になる。当人はどう捉えているのか。藤尾の答はこうだった。

「まさに重要な1か月。自分自身、隙を見せることなく、気を緩めることなく、継続してやっていきたいです」

一方の平河も少し緊張した面持ちで次のように決意を述べた。

「大事な時期だということはもちろん理解しています。やることを変えず、クラブでパフォーマンスを出すだけです」

パリ五輪の登録メンバーは18人。オーバーエイジ3枠を除けば15人という狭き門である。そこにプレッシャーは感じるのか。平河は言う。

「普段の代表活動で呼ばれる人数を考えると、少ないと感じます。そこは五輪ならではなので余計なことを考えず、メンバーに食い込むためにできることをやるだけです」

平河と同じく藤尾も「必要と思われたらメンバーに入るので、パフォーマンスを出していきたい」とあくまで目の前のことに集中していた。

パリ五輪出場を目指せる人生は一握りの選手しか体感できないもので、実際、藤尾は「毎日が刺激的で試合をするのも楽しい。夢だったサッカー選手をやれているので最高の職業だと感じています」とコメントしていた。「その環境を客観視した経験があまりなかった」という平河にしても、パリ五輪のメンバー入りを目指せる現状に確かな喜びはある。

そんな2人にとって、パリ五輪とは? 直球質問を投げると、藤尾は「目指してきたところ」と即答した。

「意識してきたところでもあります。五輪に出場できれば人生も変わるはずで、凄い大きな分岐点です」(藤尾)

続けて平河は「誰もが夢見る舞台というか、五輪とワールドカップは特別」と答えた。

「今後のサッカー人生の糧になるので、なんとしても出たいです」

現在はU-23日本代表の海外遠征に参加している藤尾と平河。彼らがパリ五輪のメンバーに選ばれてほしいと、FC町田ゼルビアの関係者やファン・サポーターの全ての方々がそう心から願っている。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェストTV編集長)

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