起承転結のつくりかた!読者が飽きない工夫とは?【テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム】

ストーリーの起承転結をつくる

読者を飽きさせないストーリーをつくるには、 起承転結を設定することが絶対の条件となります。

ストーリーの基本的な流れ

【起】ストーリーの導入部で、状況設定を伝える場面。読者を引き込むインパクトが重要となる。「承」に移る前には必ず事件が発生し、主人公の目的が提示される。(30ページマンガなら8〜10ページが理想的)

【承】物語が広がっていくと同時に、主人公が「葛藤」する場面。終盤で新たな事件が発生し、これがきっかけとなって葛藤していた主人公の決意が固まっていく。(30ページマンガなら16ページ前後が理想的)

【転】物語のクライマックス。物語の危機的な状況に追い込まれている主人公が、目的達成への糸口を発見する。これで主人公の状況が一転。終盤では目的の達成・未達成を描く。(30ページマンガなら2ページ前後が理想的)

【結】物語の目的達成後の余韻を描く場面。伏線を張っていた場合はここで必ず回収する。物語のテーマを再認識させる描写を入れると、まとまりのあるエンディングになる。(30ページマンガなら1〜2ページが理想的)

ストーリーをつくる際、 もっとも考慮すべきなのが起承転結です。 これがないストーリーは面白みに欠け、 読者を物語の世界に引き込むことができません。

まず 「起」 はストーリーの導入部に当たります。 登場人物を紹介し、 物語の世界観を披露する場です。 ここで重要となるのが、 読者の興味を引くポイントをつくり、 物語に引き込むこと。最初に読者の心をしっかり掴み、 続きが読みたいと思わせられなければ、 最後までマンガを読んでもらうことが難しくなるでしょう。

必ず守ってほしいのが、 「起」 の最後までに事件を発生させること。 これによって強い興味を持ったまま物語が本題に入り、 進むべき方向がはっきりします。

次に 「承」 は、 物語が動き、 どんどん展開していく部分です。 ここでは、 「起」 の最後で発生した事件の詳細が明らかになり、 情報が揃っていきます。 そのため物語を広げるのと同時に、 主人公の葛藤を描くのがポイントです。新たな事件を発生させ、 それをきっかけに葛藤の末に主人公の決意が固まると、 次の 「転」 への準備が整うのです。

「転」 はもっとも物語が盛り上がる部分。 危機的な状況にある主人公が 「承」 での葛藤や難題を乗り越えて成長し、 物語が大きく動きます。 ここでは、 危機的な状況と目的達成への糸口の発見をセットで描くことが肝心です。 絶望と希望の対比を取り入れることで、 その後の展開が際立ち、 読者に強い印象を残すことができます。 転の最後では、 主人公が目的を達成したのかどうかを、 作中で明示する必要があります。

最後の 「結」 は、 事件が解決し、 物語が終わりを迎える、ストーリーにおける余韻の部分です。物語中に伏線を設けていた場合は、 ここでしっかり回収し、 すっきりと物語を終わらせましょう。

【出典】『テクニックでセンスを超える! プロが教えるマンガネーム』著:佐藤ヒロシ

【書籍情報】
『テクニックでセンスを超える!プロが教えるマンガネーム』
著:佐藤ヒロシ

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