胸元のもっふりがたまらない…絵本にもなった溺愛される猫さまのスイートな日々とは

ネコという名前の猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.240
猫さまの話をもっと聞かせて!
ロシアンブルー風のネコさまは13歳半の女性猫さま。




<ネコさまが語ります>
私は50㎡のアパルトマンに住んでいて、そこには私のための家具がたくさんあります。猫の木2本、トイレ3つ、噴水、水入れ、カリカリのディスペンサー、トンネル、クッションが1つずつ、爪とぎポスト4つ、ハンモック2つです。おもちゃもたくさんあるんですよ。



私の1日は午前4時に始まります。この時、私は飼い主に本当に抱きしめてもらいたいので、優しく鳴き声を上げてベッドの上に行きます。飼い主が布団を上げると、布団の中で寄り添い、ゴロゴロと喉を鳴らします。



それからしばらくして飼い主と一緒にリビングルームに行き、ソファに座ります。朝食後はリビングで寝て、正午頃にあそびのために飼い主に会いに行きます。



午後は静かなことが多いですが、午後6時になると飼い主に仕事をやめる時間だと知らせます。それから一緒に少し遊びます。
寝る前にはシンクの蛇口から少し水を飲むのが好きです。それから飼い主と一緒に寝ます。おやつは『ちゅ~る』が大好き。フランスではあまり人気がないそうですが、いつも常備してもらっています。



今までいくつかのブランドのおやつをもらっていましたが、私が11歳のときにアレルギーを発症してからは新しい食べものを試していません。飼い主は私が冬でも快適に過ごせるように、ラジエーターの前にハンモックを置いくれました。



飼い主が仕事をしているとき、机の上にあるクッションの中に入るのが好きです。でも、私の本当のお気に入りの昼寝場所は、飼い主の足のそばです。


<飼い主から見たネコさまとは>
私の名前はフローレンスといい、人工知能エンジニア、猫の行動学者、漫画作家をしています。私は実家でたくさんの猫に囲まれて育ちました。当時、彼らはほとんど家の外にいたので、私たちは密接な関係をもっていませんでしたが、彼らをとても愛していました。20歳の頃から猫アレルギーになりましたが、30歳になった私にとって、猫と暮らすのは当然のことのように思えました。それでヨシとネコを飼うことにしました。最初は少しアレルギーがありましたが、徐々になくなりました。



私は26㎡のあまり広くないアパートに住んでいたので、いつも一緒にいました。そして、最初は猫のことについてあまり知らなかったので、2つのぬいぐるみ(猫)の世話をもっと上手にできるようになるために行動主義者になました。この小さな赤ちゃん猫の世話をするのは私だけだったので、関係は最初から親密でした



ネコは野良猫ですがロシアンブルーによく似ています。弟のヨシと同時に生後3か月の時に保護施設から引き取りました
ネコは幼い頃、3人のきょうだいと一緒に箱の中で発見されました。保護協会は子猫たちを里親に預け、哺乳瓶で育てたのです。状況を知り、猫を飼いたいと協会に電話しました。彼らは私に、2匹の子猫を養子に出したいと言いました。私はネコとその弟のヨシを引き取りました。彼らは小さい頃は全く同じに見えました。おかしなことに、私は養子縁組の前に彼らに会っておらず、写真さえも見ていませんでした。13年前、協会の女性が直接私の家に彼らを連れてきてくれて、それ以来私たちはお互いの側を離れることはありませんでした。引き取った時点で彼らは生後3か月でした。残念ながら、ヨシは癌のため2022年に去りました。ネコはそのことをかなりうまく受け止めていましたが、私はそうではありませんでした。私はいつも彼らについてのことを話したいと思っていましたが、誰もが興味を持っているわけではないので、私は絵を描き始めました。その絵本は2018年に発売されました。



ネコはいつも楽しいディスペンサーでカリカリを入手できます。ダイエット用のカリカリと歯を磨くための大きめのカリカリ(『ロイヤルカナン』のもの)を食べます。1日1回与えるパテも大好きです。ネコは一日中少しずつそれをなめているので、時々食べ終わる前に乾いてしまい、捨てなければなりません。一番好きな遊びは糸を捕まえることです。でも噛む癖があるので気をつけています。彼女は年齢を重ねたにも関わらず、子猫のように遊ぶのが大好きです。彼女は小さなネズミのぬいぐるみももっていて、それを家中追いかけています。



彼女のお気に入りは、友人が日本から持ってきてくれたおもちゃで、毛皮のボールがついた棒です。旅行中にまったく同じおもちゃを買ってあげましたが、彼女はそれを欲しがりませんでした。彼女は古くて傷んだもののほうが好きなようです。
ネコは他の猫が好きではありませんが、とても好奇心旺盛です。彼女はあらゆるものを探索したり匂いを嗅ぐのが大好きです。とてもかわいくて、一日中私のために過ごすことができます。年齢の割に遊び心もあり、一緒に遊んでいると大興奮します。そして彼女はとてもおしゃべりです。夕方、私が帰宅すると、彼女はその日のことをすべて私に話します。また、私を部屋に連れて行ってほしいときは鳴いて自分の気持ちを理解してもらう方法も知っています。



基本的に、彼女は長い昼寝のとき以外は私と同じ部屋にいるのが好きです。彼女は知らない人間を怖がります。私には少し撫でさせますが、私以外の人はだめです。面白いのは、ネコがインテリだということです。彼女は行動する前に考えることに時間を費やします。時々、彼女は5分間私を見つめてから私の膝に登ることもあります。流しで水を飲む場合も同様です。彼女は素晴らしい探検家でもあります。彼女は家やクローゼットを隅々まで観察するのが大好きです。彼女は自分で箱を開けて中身を見ることもできました。

彼女が一番嫌いなことは(密室は別として)キャリーバッグに入る事です。私たちが電車に3時間乗れば、彼女はその間ずっと鳴き続けるでしょう。彼女は抱きしめられるのが大好きだけど、いつも少し警戒心を抱いているようです。大きくて丸い目をしてるので、いつも驚いたような表情をしています。彼女は大きな目と健康な頬をもつ子猫のような顔をしています。とても愛らしいです。



そして彼女はとても優しくてエレガントです。私たちふたりの共通点は、人や騒音のない静かな時間が必要なことだと思います。同時に私たちは新しい人々と出会うことにも興味があります。そして、私たちは行動する前に考えます。あまり楽しいことではありませんでしたが、私たちは一緒に素晴らしい冒険をしました。ヨシとネコとカナダに数年間住んでいました。彼らは飛行機にも乗りました。パスポートももっています。

毎日楽しい瞬間だらけです。夕方、家に帰る数分前に彼女のことを思い出し、私の心は喜びでいっぱいになります。彼女が私の腕の中で喉を鳴らしている時間も大好きです。ベッドに横たわり、美しい毛並みを太陽の光で温める姿を見ると、私の心も和らぎます。ネコの態度、小さな顔、そして遊んでいる時の姿は私にたくさんの笑いをもたらします。



そして、私たちの優しい時間は、私たち全員に愛と慰めをもたらしてくれると信じます。


ーー飼い主は大の猫さま好きで、自分の感じることを絵本で表現することに決め、すでに2冊が出版されています。今回の取材でも書ききれないほどの話が出てきて、猫さまについて思う気持ちが止まらないようでした。ネコさまと弟ヨシさまのツーショットを見ても瓜ふたつで見分けがつきませんが、性格は全然違っていたようです。ヨシさまとは仲が良かったようですが、口論が多かったようです。兄弟喧嘩! は猫さまの世界にもあるのですね。


著者情報
松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!

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