ホームランの後は“サッカー流パフォーマンス”でファンを魅了! ブライス・ハーパーがロンドンシリーズで千両役者の面目躍如<SLUGGER>

「これぞ千両役者!」と喝采を送りたくなるような場面だった。

6月8日(現地)に行われたロンドンシリーズ第1戦で、ブライス・ハーパー(フィリーズ)が豪快な本塁打を放ち、ベース一周後には派手なパフォーマンスでロンドン・スタジアムに詰めかけた5万3882人のファンを魅了した。

メッツが1対0とリードした4回、1死走者なしという場面で打席に入ったハーパー。カウント2-2からショーン・マナエアが投じた、肩口に入る甘いスイーパーを見逃さなかった。バットを振り抜くや否や、高々と上がった打球は右翼席に吸い込まれた。

この後にも見せ場が待っていた。悠々とベースを一周したハーパーは三塁側ダグアウト前に来ると、両手を広げながら両膝立ちのスライディングを敢行。サッカー選手がゴールを決めた後によく見せるパフォーマンスで、ロンドンのファンにアピールした。

ハーパーと言えば、15歳で『スポーツ・イラストレイテッド』誌の表紙を飾って以来、常にスポットライトを浴びながら大舞台で結果を出してきた男。2018年の球宴ホームラン・ダービー優勝、22~23年のポストシーズンの大活躍など、印象的な名場面をいくつも生み出してきた男に、新たな勲章が加わった。 ロンドンシリーズは、2019年(ヤンキース対レッドソックス)、23年(カーディナルス対カブス)に次いで今回が3度目の開催。MLB肝煎りの「ワールドツアー」の中でも、ヨーロッパ市場への窓口として重要視されている。

そんな中、球界最大級のスーパースターであるハーパーが活躍し、ベースボールの魅力をアピールできたことの意味は決して小さくない。しかもハーパー自身、この“サッカー風セレブレーション”をかなり以前から計画していたという。フィールドでしっかり結果を出し、パフォーマンスでもファンを魅了する――これぞスーパースターと言うべきだろう。

ハーパーの一発をきっかけに、フィリーズはこの回一挙6得点で逆転。試合も7対3で快勝した。

構成●SLUGGER編集部

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