広島県呉市のご当地グルメ発祥の店が広島市へ出店 戦後屋台から続く「甘辛」な味、常連客にのれん分け 12日オープン

珍来軒の呉冷麺

 ご当地グルメとして知られる呉冷麺を生んだ「珍来軒」の新店が12日、広島市中区立町にオープンする。その味に魅せられ、高校時代にアルバイトをしていた40代の常連客男性が「ファンをもっと増やしたい」と一念発起した。脱サラし第二の人生を歩む。

 呉冷麺は、もちもちの平麺に甘辛いスープを絡め、唐辛子をつけ込んだ「酢がらし」をかけて食べる。珍来軒は戦後に屋台で始まり、1955年から広島県呉市中心部に店を構える。夏場以外も行列ができる人気店だ。

 新店「珍来軒立町店」のオーナーは鈴木裕一郎さん(48)。呉市倉橋町出身で、大学進学後も、就職で地元を離れた後も店通いを続け、2代目店主の桧垣巌さん(69)と親しくしてきた。今春、大手電機メーカーを退職。開店準備を進めてきた。「自分がとりこになった味を、若者や外国人観光客に広く伝えたい」と張り切る。

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