「5アンダーくらいで回っていれば…」松山英樹はオーバーパーでV戦線脱落

安定していたグリーン上で終盤にミスが出た(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ザ・メモリアルトーナメント 3日目(8日)◇ミュアフィールドビレッジGC(オハイオ州)◇7569yd(パー72)

最終18番、松山英樹は連日のナイスパーセーブで締めくくった。深く密集した右ラフに埋まるような状態だった2打目をほとんど飛ばせなかった前日から、この日はティショットが左サイドを流れるクリーク(小川)近くのラフへ。2打目が横のフェアウェイに出すだけとなり、139ydの3打目は手前ピンの手前、狭いエリアにキャリーしてカップに飛び込みそうになった。

弾かれて残った2mのパーパットを決めきったが、「74」で通算1オーバー22位に後退。「スコッティが、だいたい11か12まで行くと思っていた。自分は5アンダーぐらいで回っていれば、(最終日に)チャンスがある位置には来るんじゃないかと思っていたんですけど、そういうゴルフはできなかったですね」。タフなコースであっても、首位から出た世界ランキング1位のスコッティ・シェフラーがスコアを伸ばすことは想定していた。そこでオーバーパーをたたけば、11打まで広がった差を受け止めるしかない。

最終18番はナイスパーで締めくくった(撮影/田辺安啓(JJ))

6番で9m近い距離を流し込んでバーディ先行。左に曲げた7番(パー5)は木に当たったボールがフェアウェイ側に跳ねた後、ラフからのレイアップが飛びすぎて再びラフへこぼれた。それでも3打目を手前ピンの手前に止める技術を見せ、風の読みが悩ましい9番もクリークに近い右ピンに対してグリーンセンターから攻める堅実なマネジメントを披露。6番以外はパーを並べて折り返した。

1Wショットが左に飛ぶ場面も(撮影/田辺安啓(JJ))

悔やまれるのは11番(パー5)。ティショットを左のクリークに落とすと、ラフからのウェッジショットを2m強に絡めたが、そこまで安定していたグリーン上で左に引っ掛けるミスが出た。流れを変えたボギーを「ミスはミスであると思うんですけど、もう少しいい精度で打てるようにしたい」と振り返る。

トップ10圏内とは4打差で最終日へ(撮影/田辺安啓(JJ))

この日最難関ホールだった16番(パー3)でバンカーからの寄せがオーバーして傾斜に流され、上りのロングパットは2m近くオーバー。返しが右を抜けてダブルボギーを喫した。ショットの後で動きを確認するようにシャドースイングも繰り返していた一日。「結果論で物事をしゃべるわけじゃないので。もちろん、結果が出るのは一番いいことなんですけど…」と自らの取り組みに集中している。トップ10圏内とは4打差。上位フィニッシュを諦める位置でもない。(オハイオ州ダブリン/亀山泰宏)

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