巨人の新助っ人は「20本も可能」 評論家が絶賛、打率.356…日本で発揮する適応力

6回にヒットを放った巨人のエリエ・ヘルナンデス【写真:小林靖】

ヘルナンデスは交流戦から1軍合流…11試合で打率.356、2本塁打9打点をマーク

■オリックス 5ー0 巨人(8日・東京ドーム)

巨人は8日に行われたオリックス戦(東京ドーム)を0-5で敗れた。相手先発の高卒2年目・齋藤らに苦戦し、わずか4安打に封じられ2試合連続の完封負け。そんななか、野球評論家の新井宏昌氏はシーズン途中から加入したヘルナンデス外野手を「日本の野球に適応する能力を持っている」と、太鼓判をおした。

ヘルナンデスは交流戦開幕となった5月28日のソフトバンク戦から1軍登録されると「7番・右翼」でスタメン出場。第1打席で来日初安打を放つと、その後も快音を響かせデビューから8試合連続安打をマーク。6日のロッテ戦から2試合連続無安打に終わったが、この日は第3打席で左前打を放った。

打線が相手先発・齋藤に苦しむ中、新井氏は「第1打席こそ三振に倒れたが、次の打席では修正し唯一、齋藤の直球を捉え対応できた」と、ヘルナンデスの打撃に注目。第2打席は149キロの直球を捉え中直に倒れたが「癖のないフォームで崩れない。外国人特有の強振や大振りがなくバットの構え、出方も素直でコンパクト」と称賛した。

ひと昔前の助っ人は一発長打を期待され中軸を任せる傾向もあったが、ヘルナンデスは真逆のタイプだという。

「タイミングの取り方も大きく動かない。後ろも大きくなく、スイング軌道も非常にシャープなので広角に質のいい打球を打ち返すことができます。メジャーではパワーの部分で評価されなかったですが、日本では中距離タイプとしても十分通用する。阿部監督の目指す野球にフィットするのではないでしょうか」

「攻撃的な2番打者として十分に活躍できる」

前日8日の同戦では初回の守備で目測を誤り、三塁打にする場面もあったが「そこまで気にする必要はない。守備、走塁も平均レベルにはある。巨人の助っ人では久しぶりにスタメンを任せられる選手」と、試合数を重ね様々な球場にも慣れれば問題ないとみている。

ここまでは主に2番打者として11試合に出場し打率.356、2本塁打9打点をマーク。「現状では日本に適応する能力は持っている。シーズン途中からの加入ですが、1年を通して試合に出れば20本も可能でしょう。攻撃的な2番打者として十分に活躍できる」と新井氏。

今シーズンは開幕前にメジャー通算178本塁打のオドーアが退団。4月には育成のウレーニャを支配下登録するも4打数無安打で2軍落ち。「まだ、一回りは相手もデータ集めの期間。交流戦明けにどのような打撃を見せてくれるか」。助っ人に泣かされ続けた巨人の救世主になれるか、注目が集まる。(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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