毎日使うキッチンがスッキリしていると気持ちいいもの。しかし、なぜかすぐにゴチャゴチャしてしまう…その原因は、珍しい調味料やスパイスなど、使う頻度が少ないものがキッチンを占領しているからかもしれません。本記事では、『「お金が貯まる家」にはものが少ない』(扶桑社)の著者で片付けのプロである下村志保美氏が、「あまり使わない食材」の見極め・見直し方法について解説します。
「あったら便利」はなくても平気
キッチンの中にある、“もしかしたらなくても大丈夫なのでは?”という食材を、一緒に見直してみましょう。例えば私の家では、お好み焼きに使うソースは置いていますが、とんかつなどの揚げ物類に使う中濃ソースや、ケチャップは常備していません。
私や家族の食の好みやライフスタイルを考え直した結果、「あまり使わないな」、と思って買うのをやめてみたのです。その結果、「どうしても中濃ソースが必要!」、「ケチャップがないと食事が成立しない!」といった場面はなく(笑)、買い足すことのないまま、日々が過ぎています。
つまり、我が家には必要のない調味料だったんですね。おかげで、冷蔵庫の中は、かなりスッキリとしています。
お土産でもらった塩類は“混ぜる”!
それから、私自身も使い方に困り、またお客様からもよく相談されるのが「お土産でもらった、珍しい塩」です。塩は調理に欠かせないものですし、最近ではパッケージがおしゃれなものも多いですね。しかし結局使いきれずに、キッチンの戸棚や引き出しの一角を陣取ったまま……ということも。
私は、塩をいただいたら、まずはそのまま使います。しばらくたっても使いきれないと感じたら、普段使いの塩を入れてあるポットに、一緒に入れてしまいます。産地が混ざってしまいますが、“オリジナルブレンドの塩”と考えてしまえば大丈夫(笑)。
引き出しの奥で古くなるより、惜しみなく日常使いをしてしまったほうがいい、と考えています。岩塩など、粒が大きくて特徴がある塩は、自宅の浴槽に入れて問題なければ、バスソルトとして使うこともおすすめしています。
調味料だからといって、何も料理だけで使いきらなくてもいいのです。別の場所で転用し、ストックを減らしてみましょう。
スパイス・香辛料は使い始めの日付を書く
塩と同じぐらい溜まりやすいのが、スパイスや香辛料の類。いただきものはもちろん、輸入食材店などで珍しいものがあると、ついつい買ってしまう……という方も多いのではないでしょうか。
私は、風味を味わうスパイスや香辛料こそ「鮮度が命」だと思っています。なので新しく使う場合は、必ずパッケージに黒いマジックペンで開封日を書いています。
これも、“黒いマジックペンを使ったものの管理方法”のひとつですね。黒いマジックペンは本当に便利なので、キッチン、リビング、寝室……など、各部屋に1本置くことをおすすめしています。
新しいものを使うときに、日付をメモしておけば「随分と時間がたっているな」、「長く持ちすぎているかもしれない」と、ものの見極め時を自動的に教えてくれるからです。
特にスパイスや香辛料は、いつ買い、いつ開けたものかを忘れてしまいがち。最初の日付から1年ぐらいたってもあまり中身が減っていないようならば、そこまで必要のない証拠。少しもったいないですが、思いきって処分してしまいましょう。
珍しい食品こそ早く使おう!
ここで私の“もったいない”エピソードもお伝えします。
以前、夫が中国へ単身赴任していた際に、高価なお茶をお土産に買ってきてくれたことがありました。時間をかけてていねいに抽出するタイプのものでスペシャル感のある一品だったのですが、私には、その「ていねいに」が、どうしてもおっくうで仕方がなく、そのままに。
夫からは「あれはすごくいいお茶なんだぞ」と言われましたし、私もプレゼントしてもらったこと自体は嬉しかったのですが、結局、飲むまでにかなりの時間がかかってしまいました。
こういった体験は、多かれ少なかれ、誰もがされているのではないかと思います。だからこそ私の持論は「珍しい食材こそ、いただいてテンションが上がっている期間にさっと使いきる!」。
また自分がお土産やプレゼントを買う立場になった場合も、想像力を巡らせたいですね。旅先で、仲のいいお友達に何か一品買いたいと思ったときは、ビールやワインなどのアルコール飲料にしています。あげるほうももらうほうもハードルが低いですし、飲んだあとの処分もわずらわしくないからです。
下村 志保美
「PRECIOUSDAYS」主宰