「至高の目玉焼き」が作れると話題…窯元の「エッグベーカー」 戦後から人気続くロングセラーの理由は?

至高の目玉焼きが作れるー。島根県松江市の窯元が手掛ける「ある器」が話題となっています。
シンプルなのになぜか美味しい。噂が噂を呼び、山陰にとどまらず県外でも人気を集めている商品で、いま入手困難となっているようです。

松江市にある「湯町窯」。
100年以上続く伝統ある窯元です。ここでその人気商品は作られています。

湯町窯 3代目 福間琇士さん
「このエッグベーカーという…」

湯町窯のロングセラー商品のエッグベーカー。
特別変わった器ではなさそうですが、人気の理由が…

湯町窯 福間琇士 3代目
「タマゴがおいしく焼けるというのでございまして、バターとか油を使わなくていいの。本当に皆さんに喜んでもらってます。卵が美味しい美味しいって」

実はこのエッグベーカー、「至高の目玉焼き」が作れると話題になっているんです。

実際にそのエッグベーカーで作った目玉焼きがこちら。確かに、見た目はシンプルでオーソドックスな目玉焼きのようですが、その味は…

清水栞太 記者
「タマゴ本来の美味しさって言うんですか口いっぱいに広がっていく感じです」

コンロで温めた器にタマゴ1つを投入。

弱火に5分ほどかけたのち、もう5分ほど蒸らしたら完成です。

超シンプルなんですが、これが確かに美味しい…。
秘密はどこにあるのでしょうか?

エッグベーカーは湯町窯の3代目・福間琇士さんと、4代目・福間庸介さんがすべて手作業で作っています。

湯町窯 4代目 福間庸介さん
「火の通りやすいように、火の加減のために厚さを色々考えて作ってますね」

余計なものを一切入れないシンプルすぎる調理ゆえに、器の厚さが若干変わると火の通りに影響し、味も変わってしまいます。

タマゴ本来の味わいを最大限に生かす器の黄金比を生み出したのは、何十年にもわたって培われた職人の技。まさに「至高の領域」です。

蓋をあけた際には、タマゴの香りがふわっと広がるのもこの器ならでは。
ロングセラーと謳うだけあってかなり歴史のある商品です。

湯町窯 3代目 福間琇士さん
「戦後からずっと。病気をされると生卵を持っていく、生卵が一番栄養があるという時代でしたから」

発売当時は、タマゴもしかり、様々な調味料も高かった時代。シンプルでおいしく仕上がるエッグベーカーは一躍話題となりました。
時代の流れとともに物価も変わり、調理器具も進化してきましたが、変わらない美味しさに、半世紀以上たった今も人気を集めているのです。

湯町窯 3代目 福間琇士さん
「都会のお店にも出していますけど、なかなか送れてなくて、品不足の時があると思います。うちはインターネット販売はしておりません。やっぱり来て見て買ってもらいたいし、それが一番です」

ネットでの販売を行っていないことや、取り扱うショップでも売り切れが続くなどしていて入手困難となっていますが、ここに来ればある程度在庫があるそうで、手に入れるには窯元まで足を運ぶのが良さそうです。

至高の目玉焼きが作れるというエッグベーカー。皆さんも一度試してみてください。

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