父の日にピッタリ…大人向け「夜のわらび餅」とは? 下戸のパティシエが日本酒と格闘

今月16日は父の日です。お父さんへの贈り物にぴったりの商品がこのほど、とあるケーキ店から発売されました。
その名も「夜のわらび餅」。開発の裏には涙ぐましい努力もあったんです。

「夜のわらび餅」。
鳥取県産のユズを使った「柚子味」に大山町産の大山抹茶を使った「抹茶味」の2種類があります。

鳥取県倉吉市の「ケーキショップ チロル」が今月1日に発売しました。

ところで、気になるこの「夜の」とは一体?

ケーキショップ チロル 白水祐介さん
「日本酒をたっぷり使った大人向けのわらび餅となっています」

そう、このわらび餅には日本酒が入っているんです!

父の日に合わせて日本酒を使った大人向けのお菓子が作れないかと考えていたパティシエの白水さん。

日本酒は琴浦町の大谷酒造が作る「鷹勇純米吟醸 極辛」を使い、ユズと抹茶も地元産にこだわりました。

ケーキショップ チロル 白水祐介さん
「ほかの素材と合わせるにあたって、日本酒感があまり前面に出過ぎない、けど日本酒感もしっかり感じられるというちょうどいいバランスが、この鷹勇の極辛でした」

実際に、抹茶味を作る工程を見せてもらいました。

まずは、グラニュー糖、抹茶、わらび粉を混ぜ合わせ…、そこに日本酒を入れていきます。

その量、普段わらび餅に使う水の量のおよそ4割。結構入れます。

そしてこれを、煎茶と混ぜ合わせ火にかけていきます。ここで重要なポイントが…。

ケーキショップ チロル 白水祐介さん
「沸騰していくことによって日本酒のアルコールも飛んでいっちゃうので、なるべく飛ばし過ぎないように、だけどわらび餅の粉の力をちゃんと発揮できるぐらいまでのかたさになるように」

絶妙なタイミングで炊き上げたらバットに移し、粗熱をとって冷蔵庫へ。

5時間ほど冷やしたら完成です!

安松裕一 記者
「いただきます…まずはこのぷるぷるの食感が暑いこの時期にいいですよね。そして、抹茶の香りが鼻を抜けて、日本酒の風味がふわっと口の中に広がります」

そして、抹茶と日本酒のソースをかければさらに濃厚な味わいが楽しめます。

ところで、この商品の開発には白水さんにとって、ある根本的な問題があったとい言います。

ケーキショップ チロル 白水祐介さん
「好きというか飲めない。お酒弱いんで、そんな日本酒はいいかなというところでした」

実は白水さん、下戸なんです。それがなぜあえて日本酒を使ったのでしょうか?

ケーキショップ チロル 白水祐介さん
「日本酒とスイーツ自体の相性って元々すごいいいものでもあるので」

下戸だけど日本酒を使ったスイーツにチャレンジしたい!
そして、日々頑張るお父さんたちにエールを送りたい!
白水さん、苦手なお酒と向き合うことを決心しました。

ただ、やはり開発段階ではこんな苦労が…。

ケーキショップ チロル 白水祐介さん
「判断力がちょっと鈍ってしまうっていう欠点があるんですけど。僕、経理とかやってるんすけど、この開発期間はあんまりいい仕事ができてなかったと思います(笑)」

しかし、今では日本酒の魅力にはまり、強くなったわけではありませんが、日本酒を飲むことも多くなったと言うことです。

ケーキショップ チロル 白水祐介さん
「まず日本酒好きの人に満足してもらえる。日本酒の味わいだけじゃなくて、鳥取県のおいしいを楽しめる一品になっています」

日本酒が好きな人はもちろん、少し苦手な人でも楽しめそうなこの「夜のわらび餅」。父の日のプレゼントや自分へのご褒美にいかがでしょうか?

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