NBAの新放映権が締結目前…NBC、ESPN、Amazonの3社総額は約12兆円に

NBAの放映権契約がまもなく決着する見込みだ。『The Wall Street Journal』は、リーグは2025-26シーズンから始まる11年間の放映権で「NBC」「ESPN」、「Amazon」の3社と総額760億ドル(約11兆8380億円)の契約締結が目前に控えていると報じた。

もし仮に「NBC」が放映権を再び獲得すれば、2002年以来のNBA放送が実現する。契約金は1シーズンあたり約25億ドル(約3890億円)に登るとされ、年間約100試合のうち半数が同社のストリーミングサービス「Peacock」で放送される予定だという。

「NBC」と入れ替わるように2002年から放映権を所有するウォルト・ディズニー・カンパニー傘下の「ESPN」は、今回の契約延長が実現すれば将来的に30年連続放送の快挙が達成されることとなる。しかし、前回契約が年間15億ドル(約2340億円)であったのに対し、新契約はそれが26億ドル(約4050億円)まで膨れ上がる。そして、新プランではNBAファイナルの放送が組み込まれているが、合計放送試合数は現在のパッケージよりも減少すると予想されている。

注目の新規参入は、長らく噂されてきた世界的ストリーミングプラットフォームである「Amazon」だ。同社のプランはレギュラーシーズン、プレーオフ、インシーズントーナメント、プレイイントーナメントがメインとなっており、契約金は年間18億ドル(約2800億円)。また、同社にはローテーションで配分されるカンファレンスファイナルの一部試合も放送することとなる。

惜しまれるのは、これまでワーナー・ブラザース・ディスカバリー傘下の「TNT」が放映権を失うことだろう。「TNT」の番組『Inside the NBA』は、チャールズ・バークレー、シャキール・オニール、ケニー・スミス、アーニー・ジョンソンの軽快なトークで人気を集め、ドレイモンド・グリーンやビンス・カーターもスタジオアナリストに名を連ねており、1988年以来続くNBA長者番組だった。

『The Wall Street Journal』いわく、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーは400億ドル(約6兆2310億円)の負債を抱えており、年間22億ドル(約3430億円)のプランが内容と見合っていないと判断。「TNT」にはまだNBAとマッチングする余地が残されているものの、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーのCEOデビッド・ザスラフはNBAがなくてもチャンネルが存続できると信じている。

「NHLコミッショナーとの話し合いの末、ホッケーが追加されました。また、夏にはNASCARを、最近では大学フットボールもラインアップしています。マーチマッドネス、野球のプレーオフ、MLS(メジャーリーグサッカー)とこれらを組み合わることでTNTは1年中、非常に充実したサービスを提供できます」

しかし、バークレーは社長の決断に失望を隠せない様子だ。出演者のみならず、共に働く全ての仲間たちが職場を失うことに家族たちは傷心するはずだとし、士気は著しく低下してしまったと苦言を呈した。

「僕らは最高のスタジオショーを展開しており、スポーツ・エミー賞でベストスタジオショーを受賞したばかりなのに、この愚か者たちは最高品質のワインである僕らを安物のワインと見なした。狂気だよ」

一方、NBAの放映権収入は前回契約の2.5倍に膨れ上がり、年間放映権料は70億ドル(約1兆900億円)前後で着地すると予測。コミッショナーのアダム・シルバーによる公式発表は、目前に迫っている。

文=Meiji

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