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現地時間6月6日(日本時間7日、日付は以下同)に幕を開けたNBAファイナル。第1戦は、ボストン・セルティックスがホームのTDガーデンでダラス・マーベリックス相手に107-89で快勝し、球団史上18度目のリーグ制覇まで“あと3勝”とした。
試合は序盤こそリードが入れ替わり、第1クォーター残り6分38秒の時点ではマブズが15-14で1点優位に立っていた。しかしそこからデリック・ホワイトの2本連続の3ポイント、さらに右ふくらはぎの肉離れから約1カ月ぶりに帰ってきたクリスタプス・ポルジンギスがフリースローやジャンパー、ドライビングダンクやディープスリーをお見舞い。セルティックスが一気に突き放しにかかる。
前半で最大29点差をつけたセルティックスは、第3クォーター残り4分28秒に8点差(72-64)まで詰め寄られたとはいえ、そこからリードを再び拡大。危なげなく勝利を飾った。
セルティックスはジェイレン・ブラウンの22得点、6リバウンド、3スティール、3ブロック、ポルジンギスの20得点、6リバウンド、3ブロックを筆頭に、計6選手が2桁得点をマーク。
対するマブズはルカ・ドンチッチがゲームハイの30得点に10リバウンド、PJ・ワシントンが14得点、8リバウンド、ジェイデン・ハーディーが13得点を記録するも、カイリー・アービングはフィールドゴール成功率31.6%(6/19)の計12得点に終わり、チーム全体でわずか9アシストと、セルティックスのディフェンスに苦しんだ。
かつてデトロイト・ピストンズなどでプレーし、バスケットボール殿堂入りも飾ったレジェンドのグラント・ヒルは、試合後に『NBA TV』の番組へ出演した際、2年前の構図を引き合いに出していた。
“2年前の構図”とは、2022年ファイナルのこと。このシリーズではゴールデンステイト・ウォリアーズとセルティックスが対戦し、セルティックスが2勝1敗から3連敗を喫して2勝4敗で敗れていた。
「2年前、ゴールデンステイトがボストンを打ち負かした。彼ら(セルティックス)はシリーズに勝つことができたのにね。ダラスは2年前のボストンを見ているみたいだ。彼ら(マブズ)はどのようにして再編成するのか?正しいメンタリティーで戻ることができるか?ボストンについては、まるで2年前に彼らと対戦したゴールデンステイトみたいだった」
セルティックスはマブズが誇るガードデュオに対して先手を取った。ドンチッチにはブラウン、アービングにはドリュー・ホリデーが主にマッチアップし、スイッチしてもアル・ホーフォードやポルジンギスが基本的に1対1で対応。センター陣にテイタムがついたことでピック&ロールやそこから展開するアリウープが無効化されてしまい、ボールムーブメントも単調になってしまった。
そんなマブズに対し、ヒルはこう話していた。
「もっと力強くプレーしなきゃいけない。ボストンは第1クォーターから先制パンチを浴びせていたと思う。相手の自信を喪失させるかのようにプレーしていた。彼らはミネソタ(ティンバーウルブズ)相手に、いやプレーオフを通じて見ても力強く、自信を持ってプレーしていたんだ。戦術面とは関係ないことだってある」
幸い、ファイナルは第3戦と第4戦の中1日を除けば、いずれも中2日の“調整できる時間”が与えられる。ジェイソン・キッドHC(ヘッドコーチ)が率いるマブズは、今年のプレーオフで連敗していないという強みもあるだけに、9日のシリーズ第2戦でどんな対応を見せるかが見ものだ。
文●秋山裕之(フリーライター)