親子4代つないだ馬コ 矢巾・漆原謙一さん、装束手直し娘と参加 亡き祖父以来60年ぶり

漆原家として60年ぶりに馬コに参加した漆原謙一さん(右奥)。祖父一郎さんの装束も手直しし、沿道の声援を受けて練り歩いた=8日、滝沢市外久保

 馬コを愛した祖父の装束が、60年ぶりに盛岡路を彩った。滝沢市と盛岡市で8日に繰り広げられた「チャグチャグ馬コ」に参加した矢巾町下矢次の農業漆原謙一さん(48)。2011年に亡くなった一郎さん(享年82)が60年前に参加した際の装束を偶然見つけ、修復した。馬コにまたがったのは、一郎さんのひ孫に当たる謙一さんの子の3姉妹。漆原家4世代の絆を乗せて、新たな家族の歴史をつないだ。

 「夢のようだ」。出発地点の鬼越蒼前(おにこしそうぜん)神社(滝沢市)で馬コに装束をまとわせた瞬間、謙一さんと母で民謡歌手の栄美子さん(70)は目にうっすらと涙を浮かべた。

 馬コは遠野市の農業佐々木厚さん(69)から借りた龍馬(13歳、セン馬)。謙一さんの子の3姉妹、充郁(みい)ちゃん(5)、千紗(ちさ)さん(煙山小3年)、一希(かずき)さん(同5年)が順番にまたがり、手を振って沿道の声援に応えた。

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