日本人最年少でヨット世界一周「皆さんにお礼を」 木村さん、笑顔で兵庫・西宮に帰港 堀江謙一さんから花束

ミランダ号から桟橋に降り立った木村啓嗣さん=9日午前、西宮市西宮浜4、新西宮ヨットハーバー(撮影・吉田敦史)

 ヨットによる単独無寄港・無補給の世界一周に挑み、日本人最年少記録を30年ぶりに更新した西宮市の会社員木村啓嗣さん(24)がゴールして一夜明けた9日、同市の新西宮ヨットハーバーで帰港セレモニーが開かれた。2022年にも挑んで断念しており、2度目の航海での快挙に「無事に戻って来られてうれしく思う。応援してくれた皆さんにお礼を言いたい」と喜びをかみしめた。

 午前10時半ごろ、愛船「ミランダ」(全長12.5メートル)に乗った木村さんが笑顔で着岸すると、大勢の観衆が「お帰りなさい」と拍手で出迎えた。ヨットで世界最高齢で太平洋横断を成し遂げた堀江謙一さん(85)も駆けつけ、「世界最年長記録の更新を目指して頑張って」と激励し、花束を贈った。

 木村さんは22年11月12日に同ハーバーを出発し、太平洋を南下して東回りでの航海を試みた。しかし、出航直後の荒天で、自動操舵装置や水力発電システムなどの不具合が起こり、断念した。それから約1年後の23年10月22日に再出発し、チリの南米大陸最南端やオーストラリア沖などを通過。太陽光と水力発電を利用しながら約5万2千キロを231日かけて航海し、24歳9カ月で悲願を達成した。

 前回の断念から再出発に向けた準備の合間には、同ハーバーで開かれたジュニアセーリング教室にも参加し続けた。「子どもたちには大人になってからでも、新しいことに挑戦できる人になってほしい」と木村さん。「自分を信じることや挑戦することの大切さをみんなに感じてほしい」と語った。(浮田志保)

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