めぐり合う有形文化財と無形文化遺産 中国四川省

めぐり合う有形文化財と無形文化遺産 中国四川省

7日、有形文化財の「黄金の仮面」と無形文化遺産の「道明竹編み」が融合したオブジェ「小金竜」。(崇州=新華社配信/鄭勇)

 【新華社成都6月9日】中国の「文化・自然遺産の日」(毎年6月の第2土曜日)を前にした7日、中国四川省の崇州市文化芸術センターのロビーに国家級無形文化遺産「道明竹編み」で作られたオブジェ「小金竜」が展示され、来場者の注目を集めた。

 「小金竜」は同遺跡で出土した商(殷)周時代の黄金の仮面と竜のイメージを組み合わせたデザインを、竹編みで表現している。実物の仮面の形を忠実に再現し、数十倍に拡大して造られた竹編み版「黄金の仮面」は職人が16日かけて完成させた。同作品はこれまでにも成都市の金沙遺跡博物館の展示館ホールで4カ月近く展示され、期間中70万人以上が見学に訪れた。

めぐり合う有形文化財と無形文化遺産 中国四川省

成都市の金沙遺跡博物館で撮影した文化クリエーティブ製品、同市発祥の伝統的な絹織物「蜀錦」の技術で制作した「太陽神鳥」。(資料写真、成都=新華社配信/鄧秋)

 同博物館の職員によると、作品は成都工業学院人文・デザイン学院の教員、賈彦琴(か・げんきん)氏と道明竹編みの省級無形文化遺産代表的伝承者の工房が共同で制作した。

 崇州市道明鎮の竹編み技法は2千年以上の歴史があり、2014年に国家級無形文化遺産リストに登録された。金沙遺跡で出土した太陽神鳥金飾(たいようしんちょうきんしょく)は、中国の文化遺産のシンボルマークとなっている。

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成都市の金沙遺跡博物館で撮影した、無形文化遺産の糖画の技法で制作した「太陽神鳥」。(資料写真、成都=新華社配信/呉卓彦)

 同博物館はここ数年、文化遺産資源を活用し、糖画(べっこうあめ細工)や蜀繡(しょくしゅう、成都市一帯に伝わる伝統刺繍)、剪紙(せんし、切り絵細工)など無形文化遺産の技法を用いて創作した作品を含む文化クリエーティブ記念品を3千点余り開発し、伝統と現代、歴史と芸術の対話、交流の場を築いている。(記者/童芳)

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 成都市の金沙遺跡博物館で展示された金沙遺跡出土の黄金の仮面。(資料写真、成都=新華社配信/張艶)

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 成都市の金沙遺跡博物館で展示された金沙遺跡出土の太陽神鳥金飾。(資料写真、成都=新華社配信/張艶)

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