アルカラス、怪我の不安もありながら全仏オープン初制覇!「今回が一番誇れる」

アルカラス、史上最年少21歳でグランドスラム全サーフェスを制覇

今年2つ目のグランドスラムとなった「全仏オープン」。男子シングルス決勝では第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク3位)が、第4シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同4位)を6-3、2-6、5-7、6-1、6-2のフルセットで破り、同大会初制覇。グランドスラム通算3度目の優勝を果たし、「今回が自分にとって一番誇れる」と語った。

21歳のアルカラスは、右腕前腕に不安を抱えながら順調に勝利を重ねると、準決勝で今年1月の全豪オープンでグランドスラム初優勝を果たし、今大会後に世界1位となる第2シードのヤニック・シナー(イタリア/同2位)を4時間9分の死闘の末に2-6、6-3、3-6、6-4、6-3で撃破。2022年全米オープン、2023年ウィンブルドンに続いてグランドスラム3勝目に王手をかけていた。

決勝の相手は、グランドスラム初優勝を狙うズベレフ。第1セットを持ち前のパワフルなショットで奪ったアルカラスだったが、ズベレフのコート深くへ配球されたショットに苦戦し、なかなか攻めることができず。第2、第3セットを奪われてしまう。

それでも第4セットでは勝負所でウィナーを放って勢いづくと、最終セットも最後の力を振り絞って気持ちを前面に出しながらプレー。「第5セットはすべてを出し切らないと。特別なプレーを見せ、相手にフレッシュさをアピールしなければならない」と再びギアを上げ、4時間19分の激闘を制してオープン化以降ではスペイン人選手史上7人目の全仏オープン制覇を成し遂げた。

「この大会で優勝したスペイン人選手を全員知っているし、そのリストに自分の名前を載せることができるなんて信じられない。テニスを始めた5、6歳の頃からこのポジションに立つことを夢見ていた。とても素晴らしい気分だ」と、その喜びを表現したアルカラス。

今大会は右腕の不安に加えて、フルセットを戦った準決勝のシナー戦の影響から決勝の第3セット終盤には左足の痙攣もあり、トレーナーの治療も受けた。

だが、「肉体的にも精神的にも100%の状態で臨めるようにチームと一緒に頑張ってきた。だから最後に最高のパフォーマンスを発揮できたんだと思う」と最後まで自分を疑わず。「今回が自分にとって一番誇れる」と満身創痍での戦いを経て、チームとともに勝ち取った最高の栄誉はこれまで成し遂げてきた中でもひと味違うものだとした。

また、ハードコートの全米オープン、グラスコートのウィンブルドンに続いて今大会を制し、21歳35日ですべてのサーフェスのグランドスラムタイトルを獲得した最年少選手に。生涯グランドスラムも残すは全豪オープンのみとなっている。

<クレー、ハード、グラスコートの全サーフェスでグランドスラム優勝した選手>
カルロス・アルカラス(21歳)
ラファエル・ナダル(22歳)
マッツ・ビランデル(23歳)
ジミー・コナーズ(26歳)
ロジャー・フェデラー(27歳)
ノバク・ジョコビッチ(29歳)
アンドレ・アガシ(29歳)

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