ロッテ・藤原恭大の今「フォームを固めて一軍に向けてアピールしていきたい」

「守備、走塁はもちろん、打たないと出られないので、バッティングをもっともっと鍛えてアピールしていきたいなと思います」。

3月9日のソフトバンク戦の試合前練習後の取材でこのように意気込んでいたロッテ・藤原恭大は自身が目標にしていた開幕スタメンに向けてアピールしていたが、翌10日のソフトバンク戦で自打球を受け、右膝蓋骨骨折と診断され離脱した。

「筋力を戻すことが最優先だったので、まずは怪我する前の筋肉量、ジャンプ力、走力というのをタイムを測ってやっていました」。

リハビリを励み、5月29日の楽天二軍戦で実戦復帰。故障離脱する前の2月23日の楽天との練習試合から「ブレが少なくなっていると思います」とノーステップ打法で打つようになり、復帰戦でも第1打席の初球からノーステップ打法で打った。2打席目にはレフト前に実戦復帰後初の安打を放った。

復帰後初めて守備についた6月1日のヤクルト二軍戦、打撃フォームが変わる。第1打席から昨季までのように右足を上げて打ち、追い込まれても右足を上げて打った。6月2日のヤクルト二軍戦でも第1打席から右足を上げて打っていたが、第5打席はリズムをとりながらのフォームで打っている場面も。

さらに6月4日の日本ハム二軍戦では左の根本悠楓との対戦の時だけ追い込まれてからノーステップ打法で、5日の日本ハム二軍戦でも右のバーヘイゲンに対して追い込まれてからノーステップ打法で打ち、6日の日本ハム二軍戦は右投手、左投手関係なく追い込まれてから全打席ノーステップ打法だった。

6月7日の取材で藤原に追い込まれるまで右足を上げて打ち、追い込まれてからノーステップ打法で打っているのはタイミングが関係しているのか訊くと、「そうっすね、はい」と返ってきた。

打撃に関しては「全然良くなかったですけど、今日(7日の)練習で色々やってみて、去年からやっているバッティングフォームが一番いいなというか、結局、そこに戻ったかなという感じです」と、7日の楽天二軍戦の試合前練習後には堀幸一二軍打撃コーチ、栗原健太打撃コーチと共に、10分以上話し合っていた。

打撃フォームを戻したのは昨年秋に取り組んでいた形が良かったから戻したのかーー。「結構、あるあるなんですけど、はい。色々やって結果たどり着くのは自分がしっくりフォームなので、コーチと相談しながらこれから先もやっていくと思うんですけど、自分の感覚が一番大事にしてやっていきたいと思います」。

昨年秋から長打力アップも掲げていたが、そこも関係しているのだろうかーー。

「狙うというよりは良いフォームで打てれば自ずと長打は増えると思うので、ホームランもそうですけど、狙うというよりかは自分のフォームで打てば自ずと結果が出ると思います」。

ファームで結果を残しながら、昇格に向けて打撃面では「6日まで色々試しましたが、やっぱりフォームも徐々に固まってきて結果を残すのもそうですけど、フォームを固めて一軍に向けてアピールしていきたいなと思います」と、フォームを固定することを自身に課して取り組んでいる。

7日から行われた楽天二軍戦との3連戦では3試合いずれも安打を放った。夏といえば藤原の季節。大阪桐蔭高校時代は3年春夏全国制覇を達成し、プロ入りしてからも21年に7・8月度の月間MVPに輝いた。藤原が1日も早く一軍の舞台で躍動する姿をマリーンズファンは待っている。ファームで自分の形を作り、最高の状態で一軍に上がれるようにしたい。

取材・文=岩下雄太

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