「大規模サイバー攻撃」でサービス停止のニコニコ動画 配信者に「16日までの一時中止」求めるメール

ニコニコ動画やニコニコ生放送をはじめとするサービスが2024年6月8日から利用できない状況が続いている。

8日時点で「少なくともこの週末中は復旧の見込みがございません」とする一方で、配信者向けには16日まで生放送などを控えるように求めるメールを送っており、完全復旧には時間がかかる可能性もある。10日10時45分時点の情報として「サイバー攻撃は現在も続いており、安全が確保できるまでは今後についてのご報告は難しい状況です。本日夕方に、ご報告ができる範囲でお伝えいたします」としている。

「サイバー攻撃の影響を完全に排除できたと確信し、安全が確認されるまで、復旧に着手することができません」

ニコニコニュースでは8日、「ニコニコ動画、ニコニコ生放送、ニコニコチャンネル等のニコニコファミリーサービス」および「外部サービスでのニコニコアカウントログイン」の利用ができない状況が続いていることを発表した。

サービスの一時停止に至った理由については、「大規模なサイバー攻撃を受けており、影響を最小限に留めるべく、サービスを一時的に停止しています」と発表。調査および対策を急いでいるが、「サイバー攻撃の影響を完全に排除できたと確信し、安全が確認されるまで、復旧に着手することができません」として、週末中の復旧は見込めないとしていた。10日10時50分のポストでは、10時45分時点の情報として

「サイバー攻撃は現在も続いており、安全が確保できるまでは今後についてのご報告は難しい状況です。本日夕方に、ご報告ができる範囲でお伝えいたします」

と説明している。

ニコニコチャンネルでコンテンツの配信を行うユーザーに向けてのメールでは、障害発生のお知らせと合わせ「24年6月16日(日)までの生放送配信や動画投稿、ブロマガ(記事)投稿などのコンテンツ配信をご予定されております場合、一時中止の対応をいただきますようお願いいたします」と呼びかけている。

「データ保全のため関連するサーバーを至急シャットダウン」

ドワンゴの親会社にあたるKADOKAWAでも、同社グループの複数のウェブサイトが利用できない状況にあるとして9日に声明を発表している。

「現時点では、当社グループが利用しているサーバーに対して、外部からの不正なアクセスが行われたことによる可能性が高いと分析しております」

本件の経緯として「6月8日(土)未明より、当社グループの複数のサーバーにアクセスできない障害が発生しました。この事実を受け、データ保全のため関連するサーバーを至急シャットダウンしました」とした。

9日時点では、ニコニコサービス全般のほか、「KADOKAWAオフィシャルサイト」、エンターブレインのオンラインショッピングサイト「エビテン(ebten)」などで影響が発生しているという。

系列の角川ドワンゴ学園が運営する広域通信制高校「N高校・S高校」(N/S高)にも影響が出ている。学習アプリ「N予備校」が利用できない状況で、6月10日午前時点で「現在も映像学習やレポート提出などすべてのサービスが利用できない状況」。レポートは提出期限を延長するとしている。

「なんやかんや言って皆ニコ生大好きなんですよねー」

障害発生を受けて、Xでは「#がんばれニコニコ運営」のハッシュタグをつけた応援メッセージや応援イラストなどの投稿が相次いでいる。

ニコニコ公式Xは9日、「ご心配とご不便をおかけしており、深くお詫び申し上げます。#がんばれニコニコ運営 も拝見しております。ありがとうございます」と感謝をつづった。

公式アカウントからの報告にも、「がんばれ! 無理のない範囲で復旧作業をよろしくです。たとえゆっくりでも私たちニコ厨並びにニコニコユーザーは待ちます! どうがニコニコサーバー復旧よろしくです」「なんやかんや言って皆ニコ生大好きなんですよねー 復旧作業、頑張って下さい お待ちしてます!」など、応援の声が続々と寄せられている。

なお、YouTubeアカウント「ニコニコニュース」では、「サイバー攻撃からのニコニコ復旧を見守る場所」として最新情報を伝える生配信を行っている。

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