エアバスA350をファルコン20が追尾!SAF使用での「すす粒子」排出抑制を実証

A350 flight test aircraft followed by DLR chase plane during ECLIF3 flight campaign

ドイツ航空宇宙センター(DLR)、エアバスなど各社は、SAF(持続可能な航空燃料)を使用した商用航空機において、「すす粒子」の排出と、飛行機雲における氷結晶の形成が大幅に抑制できることを実証したと発表しました。2024年6月5日から9日にドイツで開催された「ILA ベルリン国際航空宇宙ショー」でのプレスカンファレンスでの様子が動画で公開されています。

この研究は、DLR、エアバス、ロールス・ロイスとSAF生産者のネステが協力、SAFを搭載したエアバス社のA350-900型機を飛行させ、DLRのファルコン20EがA350-900の後方を追跡、その排出物や飛行機雲のデータを測定・収集しました。

この測定の結果、「すす粒子」の排出と氷結晶の形成が従来のジェットA-1燃料に比べて56%減少し、飛行機雲による気候影響を大幅に軽減できることが明らかになりました。なお、DLRが行った気候モデルのシミュレーションによると、SAFの100%使用により、飛行機雲の気候影響は少なくとも26%減少すると推定されています。

エアバスの研究技術プログラム責任者であるマーク・ベントール氏らは、「SAFにCO2排出削減効果があることは既に知られていますが、今回の研究により、すす排出や飛行機雲の氷粒子形成をも減少させることが科学的に証明されました。これは持続可能な航空燃料が航空輸送の脱炭素化にどれほど重要であるかを示しています」とコメントしています。

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