ARRI、高いコスト効率のシングルアクシス型ワイヤレスハンドユニット「Hi-5 SX」を発表。アップグレード可能

ARRIは、ワイヤレスカメラ・レンズ制御技術の最先端機種3軸ユニットHi-5に加え、新たに1軸Hi-5 SXハンドユニットを発表し、2024年7月1日より受注開始する(出荷は2024年10月1日開始予定)。

Hi-5 SXは、今後フェーズアウトするARRI SXU-1 シングルアクシスハンドユニットの後継機。オプションとして、ソフトウェアライセンスによるアップグレードが可能であり、高度な機能も使えるようになる。優れた防水性と耐久性を備えたHi-5 SXは魅力的な価格帯でありながら、ARRIの高い信頼性をあらゆるカメラのほとんどすべてのレンズコントロールにもたらすという。

Hi-5の形状を受け継ぐHi-5 SXのデザインは、持ちやすく操作しやすい人間工学に基づいている。大型ディスプレイは見やすく、直感的なタッチスクリーンインターフェースはカメラのGUIをベースにしている。またARRIはHi-5とHi-5 SX用に交換可能な無線モジュールを提供しており、撮影現場の環境に最適な、あるいは現地の電波規制に適合するモジュールを選択できる。

Hi-5 SX の中心的なコンセプトはアップグレードによる機能拡張だ。Cinefade やREDカメラコントロール、Focusbugといった既存のHi-5ライセンスすべてに対応し、さらに2種類の新たなソフトウェアライセンスアップグレードも可能で、必要な機能をいつでもすぐに使える自由さ、柔軟さを備えている。

まずHi-5 SX Plus License は、レンズマッピングやカスタムスマートリング生成、6個のユーザーボタン、テールスレートモードなど様々な機能を追加。次にHi-5 SX All-Axis Licenseでは、ノブとスライダー、フォースパッドを同時操作する3軸機能に加え、完全なディスプレイ情報表示、AUX軸、完全なバーチャルTストップおよび、焦点距離機能を可能にする。

このライセンスを両方インストールすることにより、機能の面でHi-5との差はほぼなくなり、ブルーのSX用ジョイスティック・トグルもブラックに交換可能。追加ライセンスを用いない場合、ノブ、スライダー、フォースパッドのいずれかを用いて1軸レンズのフォーカス、アイリス、ズームの個別コントロールが可能だという。

Hi-5 SXは、1st ACにとってハンドユニットとシングルレンズモーターの初期投資を抑えつつ、ARRIブランドならではの機能性で、高機能な1軸撮影ユニットとして安心してフォーカスを送ることができる。キャリアアップとともにHi-5 SXをアップグレードしていけば、より多くの機能をプロダクションに提供し、収入を増やす可能性を選択できる。

すでに3軸ハンドユニットや複数のレンズモーターを持っている熟練1st ACにとって、Hi-5 SXの最先端技術を活かして、シネマトグラファーやDIT が操作する個別の絞り操作を容易にできる。

複数のハンドユニットを抱えるレンタル会社にとっては、1軸ユニットのために貸し出すことの多い3軸ユニットの中古機材の売却と最先端の新品機材への入れ替えを検討するうえで、Hi-5 SXはコスト面で負担の少ない選択肢を提供するという。

Hi-5 SXの強化ハウジングは密閉、防塵防水仕様で、過酷な環境下でも安定した操作性を保証。NP-L インターフェースを採用したARRI ブランドのバッテリーは、本体の電源を落とすことなくホットスワップが可能で、ディスプレイ上で正確な残量を確認できる。

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