米政府が燃費規制強化の最終案、当初提示基準から大きく後退

David Shepardson

[ワシントン 7日 ロイター] - 米運輸省道路交通安全局(NHTSA)は7日、自動車燃費規制強化の最終案を公表した。昨年示した当初案からは大きく後退し、自動車業界の強い働きかけが功を奏した形になった。

「企業別平均燃費基準(CAFE)」最終案では、2031年までに乗用車と小型トラックは1ガロン当たり現行39.1マイルから約50.4マイルに燃費基準値を引き上げることが必要となる。

26年時点で義務化されている49マイルをわずかに上回る程度に過ぎず、32年までに58マイルにすると定めていた当初案より大幅に低い。

当初案は、CAFE基準値を27年から32年まで乗用車は毎年2%、小型トラックは毎年4%改善することを求めていたが、今回小型トラックは27年と28年が改善義務なし、29年から31年までは毎年2%の改善にとどめられた。

NHTSAが当初案発表時、基準未達の場合に32年までの5年間で140億ドルと試算していた業界に科される罰金総額も、18億3000万ドルに減少する見込み。

当初案は達成不可能で、罰金負担のために自動車価格の劇的な上昇をもたらすと警告していた自動車業界は、今回の最終案を高く評価している。

11月の大統領選で再選を目指すバイデン大統領としても、当初案に反発していた業界や労働組合の支持を得る上で、基準見直しに動いたとみられる。

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