Liberaware、国土交通省のSBIRフェーズ3採択事業「Project SPARROW」コンセプトムービーを公開

「Project SPARROW」とは

「Project SPARROW」とは、「SPecialized Aerial Remote Railway Observation Work platform」の頭文字を取ったプロジェクト名だ。また、「SPARROW」(=雀)」には、雀のように都市部から農耕地域まで広いエリアに生息し、日本社会の身近な存在になるというプロジェクトへの想いも込めているという。

※プロジェクト名であり、製品化される際の「製品名」や「ソリューション名」とは異なる

プロジェクト背景・目的

鉄道業界では、保有アセットの平均年齢が経年50年を超え、全体的な老朽化が進んでいるほか、自然災害の激甚化・頻発化もあり設備の損傷等が増加している。安全な列車運行のためには、常に点検・保守を行うことが欠かせないが、日本における生産年齢人口の減少もあり、より少ない人数での現地把握が求められている。

また、鉄道現場は“触車”“感電”“墜落”という鉄道環境に特有の労働災害と隣り合わせであり、設備の損傷リスクだけでなく、現場作業員の人命にかかわるリスクを抱えつつ、日々の安全な列車運行のために点検・保守を行っている状況だ。加えて、頻発する災害時の早期運転再開に向け、二次災害のリスクを回避しつつ、より早急な被災状況把握が求められる状況にある。

鉄道施設は道路でのアクセスが難しい箇所が多く、上記の課題解決に向けて、ドローンを活用した点検調査が最適だ。そこで、鉄道特有の環境に対応するため、列車回避機能や周辺環境を考慮した機能を有するドローンとともに、ドローン運航管理システムと連携したデジタルツインを開発し、これらを組み合わせた点検ソリューションの現場投入を目指しますという。

プロジェクト実施概要

鉄道現場における巡視点検と災害環境における一時確認ができる自動巡回ドローンと、ドローンが収集した情報を閲覧・分析できるデジタルツインプラットフォームを開発し、鉄道インフラ点検における安全性向上と生産性向上を実現する。特に、人口減少の著しい地方路線において、当該ソリューションは大きな効果を発揮するという。

また、災害発生時にドローンが現地でデータを収集することで復旧時間を短縮し、対応力の強化できる。これにより、レジリエンスなインフラを創造し、安全・安心な社会の実現に向けて邁進していくとしている。

コンセプトムービーについて

本プロジェクトで実現していく鉄道現場の未来の姿がテーマだ。“触車”“感電”“墜落”といったリスクを抱えた状態で従来の点検作業をする「人」と、それらのリスクを払拭し新たな点検ソリューションとして機能する「ドローン」「運航管理システム」「デジタルツイン」に焦点を当て、安全性向上と生産性向上が実現する未来を表現しているという。

※ムービー内に登場するドローンはイメージ段階のCGであり、実際に開発する機体とは異なる

コンセプトムービー抜粋

(撮影協力) 日本リーテック株式会社/吾妻峡レールバイクアガッタン 東吾妻町役場/碓氷峠鉄道文化むら

▶︎Liberaware

© 株式会社プロニュース