「みずほペイペイドーム」でとにかく強いソフトバンク 10連勝中 今週最長記録更新へ 年間最高勝率も見えた

5月7日の日本ハム戦の延長12回無死満塁、サヨナラの左犠飛を放ちナインの祝福を受ける代打周東(撮影・西田忠信)

ソフトバンクは交流戦に入っても快走を続けています。特に本拠地のみずほペイペイドームで非常に強く、5月6日の日本ハム戦から10連勝中。1989年の福岡移転後の本拠地連勝記録は「12」で、6月11日からのヤクルト、阪神との6連戦で記録更新が期待されます。今週の「もっとホークス」では本拠地連勝にまつわる、あれこれを紹介します。

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ソフトバンクのリーグ首位快走が続いている。主軸の柳田悠岐が故障で離脱しても勢いが衰える気配がない。その要因の一つとして挙げられるのが、本拠地みずほペイペイドームでの強さ。首位攻防3連戦の初戦だった5月6日の日本ハム戦以降10連勝中だ。

10連勝の中身を見ると、逆転勝ちが6試合と実に多い。さらにサヨナラ勝ちが3度。5月7日の日本ハム戦は延長12回に代打周東佑京が犠飛。同19日の西武戦は1点を追う9回に柳田、近藤健介の適時打で試合をひっくり返した。さらに6月2日の広島戦では9回に3点差を追い付かれながら、延長10回、近藤のサヨナラ2ランが飛び出した。そして零封勝ちは2度。その中には5月21日の楽天戦の「21―0」が含まれる。

◆怪物からの「1試合3発」も…05年12連勝の記憶…次ページ

福岡移転後、同一年度で記録した本拠地での最長連勝は、2005年6月14日の横浜(現DeNA)戦から7月15日の西武戦までの12連勝(当時はヤフードーム)だ。この時は逆転勝ちが6試合で、サヨナラ勝ちが3試合。サヨナラ勝ちでは、6月25日の日本ハム戦では延長11回に井手正太郎、7月4日の楽天戦では最大7点リードを追い付かれた後の9回にバティスタがタイムリー。同15日の西武戦では記憶も鮮やかなファンも多いだろう、松中信彦が松坂大輔からこの日3本目のホームランを放ってけりをつけた。

交流戦が絡んでいることや逆転勝ちの多さ、サヨナラ弾があるなど、今回の10連勝と内容が似ている。また、この同ドーム12連勝の時期は、全体での15連勝(福岡移転後では最長)と重なっていた。

同ドーム10連勝は11年と14年にも記録し、この時も交流戦が絡んでいる。10連勝以上を達成した年は、いずれもソフトバンクがレギュラーシーズンの勝率1位(05年はプレーオフで勝率2位のロッテに敗れる。当時はプレーオフの勝者がリーグ優勝)となった。

◆全然勝てなかったドーム1年目…次ページ

今季のソフトバンクはみずほペイペイドームで17勝3敗1分け。勝率は何と8割5分で、本拠地勝率で12球団2位の日本ハムの6割9分6厘(エスコンフィールド北海道で16勝7敗1分け)を大きく引き離し、圧倒的な強さを見せている。さらに主催ゲームでも現在12連勝中(宮崎、京セラドーム大阪を含む)だ。

また現時点の本拠地勝率は福岡移転後の最高記録だった17年の7割1分6厘(48勝19敗)よりもはるかに高い。実はドーム1年目だった1993年(当時福岡ドーム)、ダイエーの新本拠地での勝率は3割3分9厘(19勝37敗4分け)で福岡移転後では最低。チームも最下位に終わった。狭い平和台球場から、広くてさらにフェンスの高いドームにホームグラウンドが変わった影響があったのだろうか。今はテラス席もできて少し狭くなったが隔世の感がある。

今週、みずほペイペイドームでの連勝記録が更新される可能性がある。打力のあるヤクルトと昨年日本一の阪神に、ソフトバンクがどんな戦いを見せるか楽しみだ。

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