アービングとネッツの移籍騒動の真相をチームメイトが明かす「彼に(大金を)支払いたくなかったのさ」<DUNKSHOOT>

現地時間6月7日(日本時間8日、日付は以下同)、米メディア『New York Post』でダラス・マーベリックスのマーキーフ・モリスのインタビュー記事が公開された。

34歳のフォワードは、現在6シーズン連続で平均1桁得点ながら、ベンチやロッカールームで存在感を発揮。今季はマブズのベテランとして、ロサンゼルス・レイカーズで優勝した2020年以来、自身2度目のNBAファイナル進出を果たした。

昨年2月6日、カイリー・アービングとともにブルックリン・ネッツからマブズにトレードされたモリスは、周囲のアービングに対する評価に不満を漏らしている。

2022年11月、アービングは自身のソーシャルメディアで反ユダヤ主義の映像作品のリンクを投稿。そのことを支持する意思こそ示さなかったものの、明確に否定しなかったことで問題に発展し、8試合の出場停止処分を受けていた。

ネッツはアービングが不在の間も、ケビン・デュラント(現フェニックス・サンズ)を中心とした布陣で踏ん張り、アービングが復帰した11月20日からチームが噛み合うと、27日のポートランド・トレイルブレイザーズ戦から2023年1月2日のサンアントニオ・スパーズ戦にかけて16勝1敗と白星を量産。
2022年6月にアービングはプレーヤーオプションとなっていた契約を行使してネッツ残留を決め、シーズン中、あるいは終了後に再契約を結ぶ意向を示していた。しかし、交渉は難航し、最終的にマブズにトレードされた。

「(ネッツ側が)彼に支払いたくなかったのさ。じゃあ彼はなんのためにプレーするんだ?契約最終年でいいチームにいるのに球団側が払おうとしてくれないなら、しかもみんな(デュラント)は(MAX額の)契約を結んでいるにもかかわらずだ。カイリーは求められていることをすべてこなしていたんだ……。それじゃあ他のチームへ行くしかない。そして今、俺たちはファイナルの舞台にいる」

アービングは出場停止処分のほか、新型コロナウイルスのワクチン未接種で出場できなかったこともあり、ネッツとの関係が揺らいでいたということなのだろう。

ネッツに在籍した約4シーズンで、アービングはレギュラーシーズン計143試合に出場して平均27.1点、4.8リバウンド、5.8アシスト、1.3スティールをマーク。このスターガードがチームに残っていれば、デュラントもサンズに移籍することなく、今頃ネッツはボストン・セルティックスとイースタン・カンファレンスの覇権を争っていたかもしれない。

文●秋山裕之(フリーライター)

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