「暴力的な言葉」「パリSGでの出来事と人々が僕を不幸に」マドリー移籍のエムバペが冷遇を暴露! クラブは不快感露わ「まったく品位がない」

サッカー界の若き皇帝の発言が物議を醸している。

現地6月3日、フランス代表FWのキリアン・エムバペが母国のパリ・サンジェルマン(PSG)からスペインの名門レアル・マドリーに移籍した。今季限りでの契約満了により、25歳のスーパースターは移籍金なしで、通算15度目の欧州チャンピオンズリーグを制覇したばかりの銀河系軍団に新加入。少年時代からの夢を実現させた。

大型移籍が、ついに正式発表された。エムバペは自身のSNSに「夢が現実になった。憧れのクラブであるマドリーの一員になれて、とても幸せで誇りに思う。今の気持ちは、言葉では表わせない。とても幸せで興奮している」と喜びを表現。契約期間は2029年までの5年間で、英スポーツ専門チャンネル『Sky Sports』によると、年俸1280万ポンド(約25億円)の他に、5年間で8500万ポンド(約169億円)のボーナスを受け取ることになるという。

晴れて白い巨人の一員となったエムバペ。だが一方で、7年間を過ごした古巣に対し、波紋を呼ぶ発言を残している。
AP通信、ロイターに並ぶ世界三大通信社のひとつで、パリに拠点を置く国際通信社『AFP』によると、エムバペは退団する意向をクラブに明かしたところ、昨夏に行なわれた日本と韓国へのツアー中にクラブ幹部から「試合に出場させない」と脅されたという。エムバペは「暴力的な言い方だった」と振り返り、「ルイス・エンリケ(監督)とルイス・カンポス(アドバイザー)がいなければ、ピッチに立てなかっただろう。彼らが僕を救ってくれた」と、2人の名を挙げて謝辞。「それが真実だ。プレーするだけでも大きな誇りだった」と続けた。

かねてマドリー移籍を熱望していたため、クラブとは今季開幕前からトラブルが続いていた。今シーズンはリーグ・アン開幕戦でメンバー落ちするとトップチームを外れてユースと練習を過ごすなど、冷遇される困難な時期もあった。「PSGでの出来事と人々が、僕を不幸にした」とも話しており、ナセル・アル・ケライフィ会長との確執をはじめ、いくつかの困難があったことを認める発言をした。

不遇を告白した母国のスーパースターに対し、クラブ側は嫌悪感を抱いている。地元専門メディア『PSG Report』は「クラブに近い関係者の情報筋によると、エムバペの発言は、まったく品位がないと考えているようだ。アル・ケライフィ会長はチームに対して、ほとんど何も指示したことはない」と、クラブ幹部の発言やエムバペとの確執を否定。「ルイス・エンリケも否定していたが、それでも彼が何かを言えば、それが真実であるかのように誰もが報道する」と今回の発言を快く受け止めておらず、クラブを暗に批判したとして一連のコメントに苛立ちを隠せない様子だ。

6度のリーグアン優勝など、計17タイトルの獲得に貢献した功労者の思いもよらぬ暴露話。両メガクラブ間で、見過ごせない新たな火種が生じている。

構成●THE DIGEST編集部

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