シリア代表エクトル・クーペル監督が日本代表戦へ「希望は捨てていない」。しかし直近の北朝鮮戦を悲劇的に落とし「できればもっと違った状況で…」

「誰も聞いていない状況でしたらお話できますが(笑)」と、少しだけ明かした日本対策とは!?

[北中米W杯 アジア2次予選 第6戦] 日本代表 – シリア代表/2024年6月11日19:10/エディオンピースウイング広島

北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の最終第6戦、サッカー日本代表(SAMURAI BLUE)- シリア代表戦が6月11日、エディオンピースウイング広島で開催される。

5連勝(うち北朝鮮とのアウェーゲームが不戦勝)の日本はすでに1位での最終予選進出を決めている。一方、シリアは2位の勝点7だが、北朝鮮とは1ポイント差。しかも直近の第5戦、アウェーでの北朝鮮戦(ラオス開催)を90+2分の失点により、0-1で落とした。しかも北朝鮮は明日の2次予選最終戦、すでに敗退の決まっている4位ミャンマーとのカードを残している。つまり、シリアは日本戦での勝利が求められる状況にある。

試合前日10日の公式記者会見に臨んだアルゼンチン出身のエクトル・ラウル・クーペル監督(Héctor Raul Cúper)は、「日本代表のポテンシャルは十分に分かっています。非常に難しい試合になりますが、決して希望は捨てていません。サッカーには保証されている結果など存在しません。全力で闘い、勝利を狙います。できればもっと違った状況でこの試合に臨みたかったですが……この予選の行方を左右する一つ前の試合で、残念な結果に終わってしまいました。この試合に集中し、チームの全ての力を注いで臨みます」と、ターゲットは“勝利”に置いて臨む。

日本との第1戦は0-5で落としている。そこからメンバーが入れ替わったが、指揮官は「競争力を高める助けになると信じています」と期待を寄せる。ただメンバー構成うんぬん以上に、「1試合目のようなミスをしないこと」を勝利へのポイントに挙げた。

「チームに貢献してくれることを期待しています。日本相手にミスは許されないので、プレーの秩序を重要視しつつ、チーム一丸となって戦いたいです」

そして日本相手にどのような戦い方をするか……と問われると、エクトル・クーペル監督はこう答えた。

「誰も聞いていない状況でしたらお話できますが(笑)、日本は非常に強敵で、これまで得点も多く、無失点とほぼパーフェクトの戦いをしています。選手の入れ替えがあっても個々のレベルが高いだけに、できるだけコンパクトな布陣で戦いたいと思っています。これまでのミスを修正し、一つもミスのない試合は難しいとしても、それを目指しながら、すべて上手くする必要があります。サッカーは何が起こるか分からないスポーツであり、勝利にこだわります。どんな戦い方をするのか、その答えはあと24時間待ってほしいと思います」

そして最終予選進出への”1ポイント”を確実にしていたなか、後半アディショナルタイムの失点でそれがすり抜けた北朝鮮との第5戦について、エクトル・クーペル監督は「大きな打撃になりました」と胸の内を明かした。

「92分というタイミングで失点を喫し、それは辛い出来事でした。私自身もこれまで多くの決勝や重要な試合で悔しい想いをしてきましたが、プロの選手は悔しい想いをしたところから立ち上がり、前を向いて戦うことが仕事でもあります。特にサッカーはその姿勢が求められるスポーツです。その結果を分析し、フィジカルと頭をリセットし、また試合に臨みます。北朝鮮戦の結果を踏まえて、明日の試合に臨みたいと思います」

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シリアの底力を見せつける――。そのようにエクトル・クーペル監督は誓っていた。

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