東海大九州の最速151キロ&185センチ右腕がプロ志望を明言 春先の体調不良響き5回2失点で敗退【全日本大学野球選手権】

力投する東海大九州の廣池(撮影・伊東昌一郎)

◆全日本大学野球選手権1回戦 東海大九州2―3中部学院大(10日、神宮)

7年ぶり出場の東海大九州(九州南部地区)は終盤に粘りを見せたが競り負け、18年ぶりの初戦突破を果たせなかった。

先発した身長185センチのプロ注目右腕、廣池康志郎(4年・都城農)は4回に1死から3連打を浴びて1点先制されると、2死一、三塁で元山蔵之助(3年・熊本国府)の中前適時打で追加点を許した。5回85球を投じ、2失点で無念の降板。「スタミナが切れてスピードも落ちた」と悔やんだ。

身長185センチ、85キロの本格派右腕は大学2年時に150キロを出して徐々に注目が高まった。しかし今春はシーズン開幕直前に新型コロナウイルスに感染。右肩にも痛みが出たため、公式戦では1試合、1回1/3の登板にとどまった。「本当に迷惑しかかけていない。みんなが連れてきてくれた」という全国の舞台。8割程度の状態にしか戻っていなかったが、2回には自己最速を更新する151キロを出した。「いつも初回の立ち上がりが悪いので、初回から飛ばしすぎた。でも楽しかった」と涙はなかった。

実家が農業を営んでいる影響で、自身も大学で畜産の勉強をするなど農家を志してきた。しかしこの日の試合後には「プロに行きたい」と明言した。「2年の時に、同じ九州地区(南部)から仲地(礼亜)さんがドラフトで選ばれた。自分も挑戦できるならいってみたい」と沖縄大から中日に1位指名された右腕に感化された。

この日はカットボールとカーブ、スプリット、ツーシームを操る器用さも見せたが「完投できるようになりたい。あとは緩急。速い球だけじゃなく、遅い緩急のあるボールも必要」とさらなる成長を誓う。都城農高2年時に遊撃手から投手に転向して5年。大成するのはこれからだ。
(末継智章)

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