田畑方式 “ご入金のみ” 政治資金パーティーは寄付か …「議員本人が適切に説明すべき」岸田総理【国会論戦詳報】

自民党の田畑裕明衆議院議員の政治資金パーティーの問題が10日、国会で追及されました。野党はパーティーの案内状に「ご入金のみ」の項目があることが違法に当たるとして “田畑式ご入金のみパーティー” と批判しました。岸田総理は田畑議員が「説明責任を果たすべき」と述べましたが、チューリップテレビの取材に答えていない田畑氏…、説明責任を果たすのでしょうか。

国会では10日午後に開かれた参議院の決算委員会で立憲民主党・社民の村田享子議員が岸田総理に、田畑議員が政治資金パーティーの案内状に「ご入金のみ」と記載した点について、違法なパーティーの開催に当たるとして追及しました。

立憲民主党・社民 村田享子議員:「立憲民主・社民の村田享子です。政治資金パーティーについてお聞きをします。こちら、富山のチューリップテレビのネット記事に乗っているものです。富山1区、自民党の田畑裕明衆議院議員の政治資金パーティーの案内状なんですが『たばた裕明くんを育てる会2024』、今月6月18日開催となっており、会費は2万円です。皆さんに見ていただきたのが出席の返信をするところなんですね。通常、パーティーの案内状では「ご出席」「ご欠席の」記載があると思うんですけど…。2枚目のパネルお願いを致します。こちらがパーティーの案内状の出欠の返信をするところなんですけれども、「ご出席」「ご欠席」とともに「ご入金のみ」という記載があります。「ご入金のみ」なんですよね。これ、これはパーティーには出席しないけれども、入金はするということですよね。これ、明らかにパーティーの会費ではなく、寄付を呼びかけるものだと考えますが、総務省に見解をお伺います」

岸田総理「(田畑議員)本人が説明責任を果たすのが重要」

総務省担当者:「政治資金パーティーに係る収入については当該政治資金パーティーへの参加の対価として支払われるものとされております。いずれにしましても、個別の事案が、同法上の寄付に該当するかどうか否かにつきましては、具体の事実につき判断されるべきものと考えます」

立憲民主党・社民 村田享子議員:「では総理に伺います。いまの総務省の見解も踏まえた上で、この「ご入金のみ」パーティー、「ご入金のみ」の場合でもパーティーの対価だと思いますか?それとも寄付だと思いますか?」

岸田総理:「ご指摘の案内状について、私自身は直接は確認してませんが、支払われた金銭が寄付にあたるかどうかについて、いま、総務省からも答弁がありましたように、具体的な事実関係の下で判断させるべき事柄であると認識を致します。よって、これはまずは議員本人が適切に説明責任果たすことが重要であると考えております」

「ご入金のみ」が抜け道になるのでは…

立憲民主党・社民 村田享子議員:「田畑議員と総理、この件で話をされていますか?」

岸田総理:「直接、接触はしておりません」

立憲民主党・社民 村田享子議員:「いま、参議院でですね。この政治資金規正法の改正案、審議をして、みんなで政治改革していこうというときに、このような事案が発生しているわけなんですよね。政治資金パーティー、やはりこの対価というのは、催しものに参加することに対して支払われる金銭となっておりますので、私は明らかに寄付に当たるものだと思いますが、総理、もう一度いかがでしょうか…」

岸田総理:「案内状、のみならずパーティーがどのように運営されているかなど、これは具体的な事実関係に基づいて判断されるものであると認識をしております。よって、まずは議員本人が適切に説明するべきものであると認識をしております」

衆議院を通過した改正案には政治資金パーティー券購入者の公開基準を「20万円超」から「5万円超」に引き下げることなどが盛り込まれています。

しかし村田議員は「ご入金のみ」パーティーが新たな抜け道になると指摘しました。

岸田総理「実態を把握して判断すべきもの」

立憲民主党・社民 村田享子議員:「ご入金のみにしてもらえば、経費が掛からずにパーティーの収益を得られるわけなんですね。ご入金のみで経費をかけずに年に何回もパーティーを開けるようになる。ご入金パーティーは脱法どころか違法なパーティーだと思います。総理にお聞きします。このご入金のみパーティー、いま、審議されている政治資金規正法の改正案において、規制の対象になりますか?」

岸田総理:「ご指摘の議員のパーティーについてですが、これについては、先ほど申し上げた通り、実態がどうなっているのか、その点だけはなくして、このパーティー自体がどのように運営されているか、これについて、実態をしっかり把握した上で判断すべきものである。いずれにせよ…そのご指摘の点については、議員本人が説明すべきものであると考えております」

立憲民主党・社民 村田享子議員:「それでは田畑議員本人が『ご入金のみ』という記載についてなんとご説明されているか、総理はまだご存じではないということでよろしいですか?」

岸田総理:「はい、本人が説明すべきものであると思っています」

安倍派議員として “裏金” もらってますよね

立憲民主党・社民 村田享子議員:「この田畑議員ですね、地元の富山県の地方紙である北日本新聞の6月1日の記事、田畑議員のコメントです

村田議員は、北日本新聞の記事を引用し「ご入金のみ」の項目を設けたのは▼来場できない県内在住者らも配信などを通してセミナーを受講できるようにするための対応で▼返礼品の代金も含むとして、寄付をよびかけるものではないと否定していること。さらにあくまでもパーティーの対価だとしていると説明していると述べました。

立憲民主党・社民 村田享子議員:「このご説明で納得はされますか?」

岸田総理:「それは、実態は議員が説明したということでありますが、それも踏まえて、ご指摘の点が、どう扱われるべきものなのか法律に照らして判断されるべきものであると考えております」

立憲民主党・社民 村田享子議員:「政治資金パーティーにおいて、配信でセミナーを受講するいわゆるオンラインでの政治資金パーティーについてはですね。政治資金パーティーに該当しないということでよろしいでしょうか?総務省」

総務省担当者:「人を集めずにオンラインだけで開催するものは、人を集めて行う会合と解すことはできない。難しいと考えております」

立憲民主党・社民 村田享子議員:「今、総務省のご答弁にありましたように、オンラインで開催するものは、人を集めて行う会合、政治資金パーティーと解することは難しいということなんです。ですので、この田畑議員の「ご入金のみ」の項目を設けた理由、セミナーで受講できるようにするというふうにご本人おっしゃっているんですけれども、これもですね、法的根拠は総理、ないんです。しかも、この「ご入金のみ」の方に対してオンライン配信をするとか、返戻金をお渡しするということは田畑議員の政治資金パーティーの案内状には一切書かれてないんですね。報道でこの問題が報じられてから、慌てて後付けで説明したとしか思えない。本当に不誠実な対応だというふうに私は思います。そのうえで、総理にお聞きをしたいんですけれども、この田畑議員、安倍派の議員として裏金もらっていますよね…?」

総務省が判断するものと認識している…

岸田総理:「この清和会の議員でいたと承知しておりますが…。いま、手元に資料がありません。その清和会のメンバーであったと、私自身、記憶をしております」

立憲民主党・社民 村田享子議員:「この田畑議員は、安倍派に所属をしていまして、裏金をもらっていたと…」

田畑議員はパーティー収入の裏金68万円を収支報告書に記載せず、党から「厳重注意処分」を受けていました。

立憲民主党・社民 村田享子議員:「今回ですね、この裏金議員が…“脱法どころか違法”とも言える、「ご入金のみ」パーティーをやっている。裏金をもらっていたことを全く反省していないのではないでしょうか?総理どうでしょうか?」

岸田総理:「いずれにしろ、ご指摘のパーティーにつきましては、本人は説明されているということではありますが、実際にパーティーが実施されたならば、法に照らしてどのように評価されるのか、これは総務省が判断するものと認識をしています」

田畑議員は6月7日にパーティーの中止を決めました。

どのような経緯なのか、しっかり調査を

立憲民主党・社民 村田享子議員:「今回の “田畑方式ご入金のみパーティー” そもそもいつから田畑議員がこうしたパーティーをはじめたのか、また自民党のなかで他にもこうしたご入金のみパーティーを開催している議員はいるのか?その確認はどうなっているでしょうか…」

岸田総理:「ご指摘の件、以外に入金のみの選択肢を設けているパーティーということについては私は承知をしておりません」

立憲民主党・社民 村田享子議員:「そもそも、田畑議員がどのような経緯でパーティーをはじめたのか、そうしたところもしっかり調査をしていくべきだと思います」

立憲民主党は自民党の改正案では政治不信を払しょくできないとして内閣不信任決議案の提出を検討しています。

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