広島県の少子化対策は県民の声から 知事が直接聞き取りへ 過去最低の出生率受けてこ入れ

 広島県は本年度、少子化対策の強化に乗り出す。2023年の県内の女性1人が生涯に産む子どもの推定人数「合計特殊出生率」は1・33で04年と並んで過去最低を記録。従来の対策では不十分とみて、湯崎英彦知事が県民の意見を直接聞いて、てこ入れを図る。

 県は7月1日~8月28日、広島市内で「車座会議」を5回開き、湯崎知事が少子化対策の方向性について、県民や有識者と意見交換する予定。交流サイト(SNS)や特設サイトでも県民からの意見を募る。

 県は子育て施策の方向性を定めた「ひろしま子供の未来応援プラン」の25年度から5年間の次期計画に、意見を反映させた少子化対策を盛り込む方針。25年度に新事業を打ち出したい考えだ。

 23年の合計特殊出生率は前年より0・07ポイント減り、8年連続の減少となった。県は不妊治療や乳幼児の医療費への助成などに予算を投じてきたが、減少を食い止められていない。県が23年10月に実施した県内の18~49歳の既婚男女へのアンケートでは、希望する子どもの数を持てていない人の割合が31・1%に上った。経済的な負担を理由に挙げる人が目立った。

 県の今年5月1日時点の推計人口は272万3612人で、前年同期に比べ2万1850人減った。若者の県外流出とともに人口の自然減が課題となっている。県子供未来応援課は「出生率の減少は厳しく受け止めている。ゼロベースで少子化対策をどうすべきかを考えたい」としている。

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