【インド】5月の自動車小売り3%増、選挙と猛暑で減速[車両]

インドの自動車販売店協会連合(FADA)は10日、2024年5月の新車販売台数(登録台数、トラクター含む)が前年同月比2.6%増の208万9,603台だったと発表した。モンスーン期(雨期、6~9月)の良好な天候見通しや資金調達がより容易になったことによる農村部での需要増などを受け、プラス成長を確保した。一方、下院総選挙や猛暑などが影響し、全体的には前月から成長は減速した。

販売台数を部門別にみると、▽三輪車が20.1%増の9万8,265台▽商用車が4.1%増の8万3,059台▽二輪車が2.5%増の153万4,856台だった。一方、▽トラクターは1.1%減の7万65台、▽乗用車は1.0%減の30万3,358台となった。

FADAは、乗用車販売が減少したことについて、4月中旬から6月初旬に行われた選挙による先行き不透明感が顧客の購入決定の遅れにつながったほか、猛暑を受け店舗の来客者数にも影響したと説明。5月のショールームへの来客者数は約18%減少した。

今後の見通しについては、モディ政権の続投が決まり、インフラ事業や経済活動が活発化する可能性があることから、「慎重ではあるが楽観的」とコメント。また、インド気象局(IMD)が今年のモンスーン期の降雨量は長期平均(LPA)の106%になると予測したことを受け、「農村部の需要が高まり、経済活動が支えられる」と述べた。一方で、熱波や豪雨といった異常気象や7月の学校再開などにより、消費者の購入決定が遅れる可能性を指摘した。

FADAの5月統計は、全国1,503カ所の地域交通局(RTO)のうち、1,360カ所の車両登録データを基にしている。

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