新幹線敦賀以西「米原採用」決議へ 能美、加賀市議会

  ●小松市長「米原が最良」

  ●加賀市長「再考が必要」

 北陸新幹線敦賀以西の延伸を巡り、能美、加賀の各市議会で、現行の「小浜ルート」でなく「米原ルート」を採用するよう国に求める決議案が提出される見通しとなった。いずれも開会中の6月定例会最終日に提出され、可決される公算が大きい。10日には宮橋勝栄小松、宮元陸加賀の両市長が市議会本会議で米原支持を改めて表明しており、南加賀の沿線で転換を求める声が強まっている。

 能美市議会(定数15)では、最大会派「能美保守の会」が最終日の26日に提出する。同会は議長を除いた定数14のうち半数の7人を占めており、他会派の一部も同調するとみられる。

 10日までに会派代表者会議で示された決議案の素案は、膨大な建設費や京都から着工の理解を得られにくい小浜ルートの課題に触れ「財政的負担を抑え、より早期の太平洋側、東海道新幹線への接続を強く要望する」と米原への変更を訴える内容となっている。

 加賀市議会(定数18、欠員1)は、第1会派「昂志会(こうしかい)」(7人)と第2会派「自民かがやき」(6人)が27日に提出する方針で、全会一致の可決を目指して調整を進めている。

 決議案には、国土交通省の試算を引用し、米原は小浜に比べて建設延長が3分の1、想定工期が3分の2、費用対効果が2倍となっていることなどを盛り込む見通しだ。

 敦賀以西を巡っては、昨年12月に小松市議会が賛成多数で米原ルートの採用を求める決議を行った。石川県議会では、自民党県連が同ルートへの再考を国や関係機関に求める決議を目指している。

 宮橋小松市長は10日、市議会開会日の提出議案説明で北陸新幹線敦賀以西ルートに触れ、「あらゆる面からみて米原接続が最良の選択だ」と強調した。「敦賀以西は着工の見通しすら立っていない」とし「県内でしっかり議論しながら、この意志と行動が広がっていくことを期待する」と語った。

 宮元加賀市長も提出議案説明で「一日も早い開通を目指すために米原ルートへの再考が必要と考える」と持論を展開した。5月の加賀地域連携推進会議「オール加賀会議」で米原ルートへの再考を求める決議が採択されたことを振り返り、「加賀地域からこうした議論を深めていきたい」と述べた。

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