本来あるべきSiri、AIを統合したOS。Apple Intelligenceの未来を見た僕がCopilot+ PCの検討を始めた理由(CloseBox)

本来あるべきSiri、AIを統合したOS。Apple Intelligenceの未来を見た僕がCopilot+ PCの検討を始めた理由(CloseBox)

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visionOS 2、iOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoiaが披露されたアップルの開発者会議「WWDC24」基調講演の後半は、主要プラットフォームへの生成AI統合の話に終始しました。

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今回のキーワードとなった「Apple Intelligence」(つまり、AI)は、オンデバイス処理とクラウド上のPrivate Cloud Compute(Appleシリコンベース)を組み合わせ、さらにOpenAIのChatGPTも統合できるという、ユーザーが望む姿に近いものを提示してきました。

ChatGPTはアカウントを作らずに使えるだけでなく、サブスクライバーであればその優先的な機能を利用することもできます。

長らく停滞気味だったSiriもコンテキストを理解できるようになり、ChatGPTなどのAIを活用した音声システムに近いところまで来たようです(まだ差はありますが)。画面に表示されているものを認識したり、複数のアプリをまたいだ処理も可能。個人情報を満載したデバイスとの緊密な統合はさすがという感じです。

しかし、秋に登場するiOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoiaで使えるようになるというこれらの機能が英語以外で利用可能になるのはさらに来年以降と基調講演の最後に聞いた後で、「え、来年まで待つのか……」とため息をついたのは筆者だけではないはず。

つまり、今回WWDCで登場したAI関連機能は非英語話者にとってはまさに絵に描いた餅。日本のアップルサイトにはページすらありません。

フレームワークとしては理想的だし、既存のPCを全て時代遅れにする40TOPSの足切りをしたCopilot+ PCと比べ、M1もしくはA17以降で使えるところは良い落とし所で最適化に時間をかけたということなのでしょう。

しかし、超高速で動いているAIの世界でそこまで待てるわけはありません。

では、OSと統合したAIの姿をいち早く体験できるのはどのプラットフォームかと考えると、GPT-4oを組み込んだChatGPTアプリ(高性能なボイスモードももうすぐMacで使えるようになる)、そしてCopilot+ PCとなるのではないでしょうか。

もう一つの要素はVision Proです。6月28日から日本でも販売されるということで予約が開始されました。たいへんうれしいニュースです。いち早く米国から輸入した方々も技適が取得されたそうでおめでたい。しかし、visionOS 2へのAI統合は触れられていません。もっとも必要としそうなものなのに、です。

AIという、これからのプラットフォームに必要な未来をWWDC24で見せてくれたからこそ、それを使えないデバイスを買う気はしないのです。

🔳AI for the rest of usは英語圏だけ

筆者はWWDC23の前に、「チャットAIのためのフレームワークをAppleが提供し、デベロッパーとユーザーが安心してLLMなどの生成AIを使えるようにすることではないか」と予想しました。それは結局1年後にApple Intelligence、App Intentsという形で発表されたわけですが、日本にこれらがやってくるのは来年以降となります。AI for the rest of usのUsというのはUSA(と英語圏)ということなのです。

(▲このページは日本版アップルのサイトにはない)

より正確には、「Apple Intelligenceは、iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max、M1以降を搭載したiPadとMacで、Siriとデバイスの言語を英語(米国)に設定している場合、この秋、iOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoiaの一部としてベータ版で利用できるようになります」となっています。

日本語でAI機能が使えない以上、これから半年以内に出てくるアップル製デバイスの価値は半減します。

そう考えると、これまでふーんという感じで見ていたCopilot+ PCを試してみたい気持ちが強まってきています。

コスパで考えるとSurface ProよりASUSのCopilot+ PC対応ノートの方がだいぶ安く感じます。いや、AMDのCopilot+ PC対応Ryzenを待った方がいいのでは、それともIntelのLunar Lake待ちか?とかも考えてしまい、絶賛迷い中です。

この辺の話になると、西川善司さんに相談だな、ということで、6月14日に開催されるテクノエッジのPCワークショップで質問してみようかなと思っています。同じような気持ちの方もぜひどうぞ。

デスクトップ、スマートフォン、タブレット、ウォッチと、デバイスを全て握っていてプライベートデータもがっちり持っているアップルがAI時代においても最終的な勝者になるのは間違いないとは思っていますが、それでも半年の遅れはとても痛いのです。

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