竹田市の公立中、部活動の「地域移行」進む 対象競技拡大、各校で練習メニュー共有も【大分県】

土曜日に「TAKETA T&F」で活動する竹田市内の中学生ら=4月下旬、同市竹田の竹田丸福陸上競技場

 【竹田】公立中学校の部活動を外部の団体で実施する「地域移行」について、竹田市教委は市内4校で取り組みを進めている。昨年度から吹奏楽部で始め、本年度は陸上と剣道にも拡大した。バレーボールや野球でも検討中。担当者は「少子化が進む中であっても子どもたちがやりたいスポーツ・文化活動ができる環境を実現したい」と話している。

 同市は国のモデル事業として、県内自治体の中で取り組みが先行する。第1弾は吹奏楽部で、竹田、竹田南部の両中学校の部員が隔週の土曜日に合同で練習。フルート奏者の元教員が指導者となり、大会にも出場した。本年度は毎週に活動を広げた。

 陸上、剣道はそれぞれ指導経験がある市民が市教委と連携して受け皿団体を設立し、4校の生徒に募集をかけて活動している。

 このうち陸上は46人が登録。火、木、土曜日に市内竹田の竹田丸福陸上競技場に市教委が運行するスクールバスで集まる。スポーツクラブ「TAKETA T&F」(賀籠六めぐみ代表)の指導者6人からアドバイスを受けながら、さまざまなトレーニングに励む。

 初回の練習は4月下旬にあり、緑ケ丘中2年の中村颯(びゅう)さん(13)は「学校に陸上部がなく、活動できてうれしい。食事の注意点など専門的なことも教えてもらえる」と声を弾ませた。

 戸井田拓也コーチ(58)は「努力すれば目標が達成できるということを伝えたい」と真剣だ。各中学校の教員と練習メニューの共有も図っている。

 今後、市教委は学校教育課に地域移行を進めるコーディネーターを配置する。同課の田辺秀樹指導主事(51)は「地域住民や生徒、保護者、指導者らの声に耳を傾けて進めていく」と語った。

<メモ>

 部活動は少子化で学校単位での活動が難しくなり、教員の長時間勤務の一因とされる。国は2023年度からの3年間を改革推進期間として、休日の活動を段階的に地域移行するよう促している。県教委は目標を25年度末と示している。

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