スティーラーズHCトムリンが3年の契約延長に合意、2027年シーズン末まで続投へ

ピッツバーグ・スティーラーズのヘッドコーチ(HC)マイク・トムリン【AP Photo/Lindsey Wasson】

1月に騒がれたヘッドコーチ(HC)マイク・トムリンの職の安定性についての心配は杞憂に終わった。

ピッツバーグ・スティーラーズが、トムリンHCと3年の契約延長に合意したことを現地10日(月)に発表した。

スティーラーズ社長のアート・ルーニー二世は声明で「マイク・トムリンのリーダーシップとスティーラーズへの貢献は、彼がヘッドコーチとしての最初の17年間を過ごした中で、われわれが成功を収めるために不可欠だった。彼との契約をさらに3年間延長することは、プレーオフゲームとチャンピオンシップの勝利にチームを導き、成功を収め続けるという彼の能力に対するわれわれの信頼を反映したものだ」と述べている。

NFLで最も長く現役のヘッドコーチを務めるトムリンは、スティーラーズの安定性を体現してきた。17シーズンにわたって一度も負け越したことがないトムリンHCは、これまでにスティーラーズをAFC(アメリカン・フットボール・カンファレンス)北地区優勝7回、プレーオフ進出11回、スーパーボウル出場2回に導いており、2008年(第43回スーパーボウル)には自身初となるスーパーボウル制覇を達成している。

おそらく最も重要な点は、トムリンHCが手薄なロースターであってもスティーラーズを立派に戦わせてきたということだ。2023年シーズンには3人のクオーターバック(QB)を使い回しながらも、スティーラーズを10勝7敗の成績と予想外のポストシーズン進出に導いた。これは2019年にQBベン・ロスリスバーガーがシーズン終了を告げる肘のケガを負い、メイソン・ルドルフとデブリン・ホッジスを起用せざるを得ない状況に陥りながらも、プレーオフ進出に迫ったときの奮闘を上回るものだ。

ロスリスバーガー引退後のスティーラーズから学んだことがあるとすれば、それはフランチャイズを支え続ける上で、トムリンHCの経験とリーダーシップがいかに重要だったかという点だろう。だからこそ、2023年シーズンが終わった後に、トムリンHCの職務に対する懸念が浮上したことは興味深くも奇妙なことだった。スーパーワイルドカードウイークエンドでバッファロー・ビルズに敗れたときに、チームの気迫が足りていなかったとは言え、トムリンHCはまたしても称賛に値するシーズンを送ったはずだった。

スティーラーズはヘッドコーチの交代を好まないフランチャイズだ。スティーラーズが1969年にチャック・ノールを雇って以来、3人目のヘッドコーチとなっているトムリンは、ここ7年間で一度もプレーオフで勝利していないものの、スティールシティの大惨事を防ぐことには成功しており、何度もヘッドコーチとしての実力を証明してきた。

スティーラーズはトムリンHCをチームのトップに据え続けるべく、必要な措置を取った。驚くほど充実した今オフシーズン中に、ラッセル・ウィルソンとジャスティン・フィールズをクオーターバックのデプスチャートに加えた上で、トムリンHCとスティーラーズは新しい契約によってさらに一歩前進している。あとは2024年とそれ以降で戦っていくために必要な作業を完了させるだけだ。

【KO】

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