中国寧夏回族自治区産のクコ、世界的に人気高まる

中国寧夏回族自治区産のクコ、世界的に人気高まる

寧夏回族自治区銀川市賀蘭県のクコ加工企業で、製品を包装する従業員。(2023年1月31日撮影、銀川=新華社記者/王鵬)

 【新華社銀川6月11日】中国ではクコは伝統的に「薬食同源」とされる植物で、薬用として3千年以上の歴史があり、肝臓を守り、目に良く、腎臓の働きを助け、精気を増強する効き目がある。クコは寧夏回族自治区を代表する特産物で、世界市場でも知名度が高く、自治区のクコ輸出量は数年連続で全国首位を維持している。

 銀川税関のデータによると、今年1~4月の自治区のクコ輸出量は前年同期比15.3%増の1331.2トンで、主な輸出先はドイツや米国、オランダ、オーストラリア、東南アジア諸国連合(ASEAN)などだった。黄河流域の生態系保護・質の高い発展先行区、中国西部地域と東南アジアを結ぶ物流ルート「西部陸海新ルート」の建設など地域の税関を一体化する協同体制のおかげで、企業は鉄道・海上輸送を組み合わせた複合一貫輸送のすべての手続きが一度で済む「一単制」を利用し、クコの輸出にかかる物流コストを1トンあたり30元(1元=約22円)節約し、輸送効率を30%高めることが可能となっている。

中国寧夏回族自治区産のクコ、世界的に人気高まる

5月27日、輸出クコを検査する銀川税関所属興慶税関の職員。(銀川=新華社配信)

 製品の質の高さと多様化が世界市場で決定的な役割を果たしている。自治区はここ数年、クコの品質向上と加工で大きな進展を遂げた。品質を確保するため、中国クコ研究院と国家クコ製品品質テスト・検査センターを設立し、クコ製品に関する国家標準の50%以上の制定を主導したほか、医薬品や食品、飲料、栄養補助食品、化粧品など120品目以上の新製品を開発し、輸出先を50以上の国・地域に広げ、2023年のクコ産業チェーンの生産額を290億元に増やした。

 自治区は文化・観光の融合を通じてクコ産業の付加価値も高めており、自治区を訪れた観光客は例外なく、クコを友人や親戚のお土産としている。

 23年末時点の自治区のクコ作付面積は32万5千ムー(2万1667ヘクタール)、生産量は32万トンに上った。自治区は現代的クコ産業の質の高い発展を推進するため、「自治区の現代的クコ産業生産額千億元に向けた発展計画(2023~30年)」を策定し、30年までに産業チェーン全体の生産額を1千億元に引き上げるとしている。(記者/謝建雯)

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