最新ドライバー31機種を完全解剖! 『10K』ヘッドと浅重心ヘッドはどっちがベスト?

最新ドライバーは、慣性モーメント10,000g/cm2超えのヘッドから低スピンで飛ばせるモデルまで、高機能なものが揃っている。自分にとってベストな1本を見つけるために、最新ドライバーの傾向と選び方のポイントをチェックしよう。

今年の話題作といえば、縦横のトータル慣性モーメント(MOI)が10,000g/cm2超えの『10 K』ドライバー。慣性モーメントの数値が大きいほど、打点がズレてもヘッドがブレずに真っすぐ動くので、球が曲がりにくく飛距離が落ちない。

これまで高慣性モーメントのモデルは、一度フェースが開くとスクエアに戻りづらく右プッシュが出やすいといわれていた。しかし、最新モデルの『Qi10 MAX』や『G430 MAX 10 K』は、ヘッドがスムーズにターンして、やさしくボールがつかまる。その結果、ミート率に自信がない初・中級者はもちろん、プロゴルファーも安定して飛ばせるドライバーに仕上がっている。

一方、海外のトッププロの使用ドライバーに目を向けると、コリン・モリカワ、スコッティ・シェフラー(ともに米国)、ローリー・マキロイ(北アイルランド)が使う『Qi10』、ザンダー・シャウフェレ(米国)、ジョン・ラーム(スペイン)が使う『PARADYM Ai SMOKE ♦♦♦』、タイガー・ウッズ(米国)が使う『Qi10 LS』など、求める特性は様々だ。

『Qi10』シリーズを例にとると、『10K』ヘッドとして知られる『Qi10 MAX』は女子の世界No.1、ネリー・コルダ(米国)が使用しているが、男子プロはあまり使わない傾向にある。『Qi10』は『Qi10 MAX』よりも重心深度がやや浅く、重心距離も短めで、スイートエリアの広さと操作性を高いレベルで兼ね備えたバランス重視のモデル。トッププロはそんな操作性を好んでいると思われる。

タイガーが使用する『Qi10 LS』は、重心深度が浅く低スピンで飛距離と操作性の高さが特徴のパワーアスリート向けモデル。ドロー・フェードと弾道を打ち分けられて、球が吹け上がらない特性を好んでいる。女子プロでは、2週前の「ヨネックスレディス」で優勝した新垣比菜も使用する。低スピンのライナーで飛び、ランでも飛距離が稼げる点を評価しているようだ。

今回はギアに精通する関浩太郎と石井良介の試打評価を元に、ヘッドスピードと技術レベルで最新モデルを分類してみた。

右上に行くほど重心距離が短く浅重心ヘッドのモデルが位置し、『Qi10 LS』はここに分類される。左下に行くほど、重心角が大きく深重心ヘッドのモデルが位置する。やさしいモデルの王道『ゼクシオ13』がこれに当たる。『Qi10 MAX』『G430 MAX 10K』は技術レベルがもう少し上に位置するモデルとなる。

表を参考にしながら、実際に試打を行ってみて自分のベストモデルを探してみてほしい。

【試打モデル】
テーラーメイド Qi10 MAX
テーラーメイド Qi10
テーラーメイド Qi10 LS
キャロウェイ PARADYM Ai SMOKE MAX
キャロウェイ PARADYM Ai SMOKE MAX D
キャロウェイ PARADYM Ai SMOKE MAX FAST
キャロウェイ PARADYM Ai SMOKE ♦♦♦
ピン G430 MAX 10K
ピン G430 MAX 10K HL
ダンロップ ゼクシオ 13
ダンロップ ゼクシオ エックス
ブリヂストンゴルフ B1 ST
ブリヂストンゴルフ B2 HT
ブリヂストンゴルフ B3 MAX
ブリヂストンゴルフ B3 MAX D
ヤマハ RMX VD/R
ヤマハ RMX VD/M
ヤマハ RMX VD/X
ミズノ ST-MAX 23
グローブライド オノフ ドライバー AKA
グローブライド オノフ ドライバー KURO
ヨネックス EZONE GT Type-S
ヨネックス EZONE GT Type-D
コブラ DARKSPEED X
コブラ DARKSPEED LS
コブラ DARKSPEED MAX
マジェスティゴルフ マジェスティ プレステジオ 13
キャスコ UFO AIR DD by POWER TORNADO
本間ゴルフ BERES
つるや アクセル ゴールド プレミアム
プロギア スーパーエッグ

■試打・関 浩太郎
せき・こうたろう 「セキゴルフクラブ目黒」主宰。アメリカで最新の理論を学び、スイングコーチ&クラブフィッターとしてスイングとギアに精通している。

■試打・石井良介
いしいりょうすけ 横浜を拠点に全国で精力的にレッスン活動中。ギアに精通するレッスンプロ。YouTubeチャンネル「試打ラボしだるTV」では試打を担当。

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