ブラジル「空飛ぶタクシー」開発企業、来月改めて資金調達へ

Gabriel Araujo

[サンジョゼドスカンポス(ブラジル) 10日 ロイター] - ブラジルの世界的航空機メーカー、エンブラエルの子会社で「空飛ぶタクシー」を開発する新興企業イブは、早ければ来月にも改めて資金調達を実施する方針を固めた。ヨハン・ボルダイス最高経営責任者(CEO)がロイターに明らかにした。ただ、調達方法や目標額には触れなかった。

イブは2022年、電動垂直離着陸航空機(eVTOL)運航上の安全認証「型式証明」取得をブラジルの民間航空規制当局に申請。この承認後は米連邦航空局(FAA)にも申請する見通しだ。受注は既に国内企業のほか米ユナイテッド航空やフランス、インド企業などからの計約3000機に及ぶ。

イブは認証取得と就航を予定通り26年と見込んでおり、今回の資金調達は「ブラジル当局から認証を得るまでの資金手当て」(同CEO)という。

同社は既に22年5月にニューヨーク証券取引所に上場し、eVTOL開発と製造向けに約4億ドルを調達済み。その後、ブラジル国立経済社会開発銀行(BNDES)から4億9000万レアル(9200万ドル)の融資枠を確保した。手元流動性は今年第1・四半期末段階で総額2億8000万ドルに達している。

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