「カスハラ」対策 ネームプレート「名字だけ」増加【長野・佐久市】

自治体や企業が、客などによる迷惑行為「カスタマーハラスメント」の対策を進めています。佐久市は、今月から職員が首にかける「名札」を変えました。

「佐久市役所総務部総務課、人事係の森下と申します」」

左が、先月までの名札です。市の全職員がフルネーム表記をやめ、細かな役職や顔写真も無くしました。

■総務課 森下慶汰さん
「他市の事例にはなるんですが、名札からフルネームを特定されて、SNS等で声を掛けられたという事例があったことを受けて、職員から提案がありました」

背景にあるのが、全国的に問題になっているカスタマーハラスメント。「カスハラ」です。
先月末、沖縄の飲食店では…。酒に酔った客がラーメンをぶちまける迷惑行為を起こしました。
怒りは、電話でも…

■会計ソフト会社カスタマーセンターへの電話音声
「ふざけた回答してんじゃねえぞオラ!殺すぞお前!」

こうした被害は、「客商売」に限りません。ANNの調査では、全国のおよそ8割の自治体が、土下座の強要など職員へのカスハラ被害があったと回答しました。

■総務課 森下慶汰さん
「こちらの対応とうまくいかずに、職員を特定する(カスハラの)危険もあるかなと考えておりますので、今後そういったことが減ればなと考えております」

名字を大きくして、識別しやすいフォントを採用しました。職員は、「カスハラ対策」以外の効果を感じています。

■職員
「名前を覚えてもらいやすくなったのかなと思います。今のところは問題を感じてはおりません」

表記の変更は、県や長野市、茅野市などが4月から実施していて、松本市も、来月1日から、名字だけに切り替えるということです。

© 長野朝日放送株式会社