ベイシア、衣料品のPB商品を強化 「悩み解決」テーマにニーズに合わせた6種類のブランド展開

前橋みなみモール店のハピラボの売り場を紹介するベイシア衣料事業部社員

 スーパー大手のベイシア(群馬県前橋市亀里町、相木孝仁社長)が、衣料品のプライベートブランド(PB)を強化している。ブランドの狙いや購買層を明確に打ち出し、顧客の「悩み解決」を合言葉に婦人服、紳士服、靴で一昨年以降、計6種類のブランドを誕生させた。多種多様な店舗が軒を連ねる「商店街」をイメージした戦略で、今後も拡充する方針だ。

 2022年冬に女性カジュアル衣料チェーンのハートマーケット(同市川原町、桜井明社長)とコラボレーションした婦人服ブランド「&H(アンドエイチ)」を立ち上げたのを皮切りに、昨秋にはアパレルメーカーのワールド(神戸市、鈴木信輝社長)と協業したブランド「YORIMO(ヨリモ)」をスタートした。

 今年の春夏物からは、初の靴ブランド「Hapi Labo(ハピラボ)」、紳士服ブランド「CHILLDAYS(チルデイズ)」、「UNCHANGED(アンチェンジド)」を開始。当初は女性向けだった「ヨリモ」で新たに男性向けを販売している。

 ベイシアの衣料品は従来、外部から買い付ける商品が多かった。PB拡充の意図について、同社衣料事業部の佐藤勝事業部長は「誰にでも好かれるマス向けの商品ではそれぞれの個性が際立たない。ジャンルごとにターゲットをしぼることでピンポイントの機能を打ち出せる」と説明する。

 前橋みなみモール店(前橋市新堀町)では昨年、靴売り場の陳列方法を変える試みをした。「幅広」「軽量」など機能ごとに仕分けたコーナーを設けた結果、売り上げが大幅に伸びたという。顧客自身が抱える悩みに対応した商品を見つけやすくした効果と分析し、各ニーズに特化したPBの増強を決めた。

 ハピラボは女性の靴に関する悩みの解決がテーマ。年齢で悪化しやすい外反母趾(ぼし)を気にせずファッションを楽しめるように一部にストレッチ素材を採用。デザインも工夫し、外見で目立ちにくいようにしている。

 カジュアルやビジネスシーンなどに合わせ、靴の軽さや足の疲れにくさなどに着目した4シリーズも用意している。

 チルデイズ、アンチェンジドは中年の男性がターゲット。コーディネートしやすいことや、体形変化の補正などをテーマに据える。

 今後も顧客の悩みに寄り添い、PBを拡充する。佐藤事業部長は「商品が混在する売り場では誰向けの商品か分からない。一目見ただけで対象となる性別、年齢層が分かる店舗が並んでいる商店街のような売り場にしていきたい」と話す。

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