文系でクリエイターでもない僕がM4 iPad Proを買った理由(後編)

前編では、悩んだ末、M4搭載のiPad Pro 11インチを購入した理由について長々と語った。要するに、ただただ「舞い上がっていた」ため、みたいなことで申し訳ない。だが、舞い上がって購入したとしても、決して後悔していないことは間違いない。まだ購入してから半月しか経っていないのだが、使い込むごとにiPad愛は深まるばかりなのだ。その理由を紹介しよう。

iPad Pro 11インチ

▼6月7日掲載・前編はこちら

https://www.bcnretail.com/news/detail/20240607_430604.html

買ってから満足感が深まった「誰も取り上げていない」理由

新しいiPad Pro 11インチを購入した理由の一つは、まず、Magic Keyboardだ。

キーボード側の素材がアルミになって高級感が増した、という評価が一般的だがそれはその通りだと思う。一方で、ファンクションキーについて、他のレビューではさらりと流されていることが多い。だが、これ、めっちゃ便利なのだ。

特に気に入っているのが再生・停止、早送り、ボリュームコントロールなどの音楽系のボタン。

Magic Keyboardのファンクションキーが便利

「ミュージック」や「Spotify」で集中力が高まる音楽を再生しながら原稿を書くのだが、執筆中の原稿に集中するためにテキストエディタ「LiquidLogic」をフルスクリーンモードにしている。

音楽系のアプリはバックグラウンドで音楽を再生しているので、画面上にコントロールボタンは表示されていない。流れてくる音楽によっては、もう少しボリュームを下げたい、とか、次の曲にしたい、ということがあるが、ボリュームボタンや次の曲へボタンがあると原稿に集中したままコントロールができるのだ。

画面の明るさコントロールボタンは映画を観るときに便利だ。映画の種類によって、また観るときの環境によって画面を暗くしたり明るくしたりしたい時がある。明るさコントロールボタンは、映像を見ながら調整ができるので、ちょうど良い明るさに設定しやすい。

アプリスイッチャーボタンもよく使うボタンだ。

Magic Keyboardにはトラックパッドが付いていて、トラックパッド上でジェスチャ操作ができる。筆者は4本指上スワイプでデスクトップを表示させたり、4本指ピンチインでアプリスイッチャーを表示させたりすることが多いのだが、トラックパッドが狭いせいか、筆者の指が太いせいか、この4本指ピンチインの動作がうまくいかないことが多い。アプリスイッチャーボタンを押せば、すぐにアプリ一覧が表示されるので、マルチタスク切り替えがストレスなくできるので助かっている。

iPad Pro本体の機能では、4スピーカーがやはり断然良い。作業BGMとして音楽を流すのはもちろんのことだが、ミュージックアプリで空間オーディオ対応の音楽をかけると、その再生能力に圧倒される。

空間オーディオは正座して聴きたくなる

ボーカルはしっかりとiPad Proの画面あたりに定位しているのに、演奏されている楽器が自分の周りに広がるような立体音響になる。思わず目を閉じて、音楽に聴き入ってしまう。

目の前の小さなタブレットから音が鳴っているとは到底思えない。まるで、高校生の頃、初めて買ってもらったオーディオコンポの前に正座してレコードに聴き入っていたあの頃のように、音楽と真正面から向かい合いたくなるような気分にさせてくれる。この音響性能だけでも、iPad Proにしておいてよかったな、と思えるぐらいだ。

もちろん、M4の高性能を活かして、画像編集したり動画編集したりするのは快適だろう。Ultra Retina XDRディスプレイ黒の美しさは、SF映画が大好きな筆者としては宇宙空間を堪能できるのが楽しみだ。そこは、これから満喫していこうと思う。

Appleが設計した最新のシリコンチップ、M4

iPadはスマートフォンに比べて買い替えサイクルが長い製品で、最低でも3年は使うのが一般的だ。初代が登場してから14年、十分に熟成が進んでいる今のiPadなら5年以上でも十分に使えるだろう。だから、たとえ20万円越えであっても、自分が納得できるiPadを選ぶことが大切だと思う。

筆者は今、大変満足して、iPad Pro(M4) 11インチを使っている。

<プロフィール>

■Profile

西脇 功
3Dデザイナーズスクール(https://3dschool.jp/)学長。製薬会社勤務を経て、1987年にApple社のMacintoshに出会いコンピュータ業界へと転進。IT系企業数社でコンテンツマーケティング、広報・宣伝のプロとして活動。製品導入事例の執筆、オウンドメディアのWebサイト立ち上げからコンテンツ作成までを一人で担当。2020年独立し、合同会社「天使の時間」を設立。3DCGソフト活用のためのオンラインスクール運営や、Webメディアへの記事執筆を行っている。

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