大玉ゴロゴロ 大栄西瓜「例年にない甘さ」 鳥取県産スイカのトップブランド、出荷が本格化

生産者が寄せたスイカを手でたたき、音で品質を確かめる検査員たち=鳥取県北栄町妻波、JA鳥取中央大栄西瓜選果場

 鳥取県産スイカのトップブランド「大栄西瓜(すいか)」の2024年産の出荷が同県北栄町で本格化している。24年産は中心部近くの平均糖度が12.7度と例年にない甘さで高単価が期待される。7月20日ごろまで全国各地の市場に前年比5.1%減の8700トンを出荷し、販売額は4.4%増の23億6千万円を見込む。

 19年に農林水産省の地理的表示(GI)保護制度の品目に登録されたブランド品。24年産は前年より8戸少ない193戸が3.2%減の155ヘクタールで栽培した。初期の生育が遅れたものの、例年並みの大玉に仕上がり5月30日に出荷が始まった。

 北栄町妻波のJA鳥取中央大栄西瓜選果場では11日、生産者が持ち込んだスイカがずらりと並び、場内には検査員が手でたたいて出来栄えを確かめる「ポンポン、ポンポン」という音が響いた。この日は出発式があり、関係者のテープカットや地元の園児の歌などで祝った。

 高齢化で離農する生産者がいる一方、同JA大栄西瓜組合協議会が近年、新規就農者の呼び込みに力を入れ、24年産は20~40代の5戸ほどが加わった。村岡高志会長(45)は「県産スイカを引っ張る立場。まずは品質にこだわり、新規就農者を加えながら量も確保したい」と話した。

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