愛媛県松山市内の空き家に、迷い込んだネコが閉じ込められました。現場には近所の住人が集まるなど、一時騒然となりました。
◆◆ 数年前まで人が住んでいたが…
迷い込んだネコが閉じ込められたのは、愛媛県松山市内の民家です。
付近の住民によると、この家には数年前まで高齢の女性が住んでいたということですが、現在は空き家に。管理のために親族が時々訪れる程度です。
近所に響き渡るネコの鳴き声。
それに気付いた付近の住人が、次々に集まって来ました。
(近所の住人)
「イライラしてるのかな? おなかが空いてるんだろうなぁ」
ネコは、一体どこから入り込んだのか、家の1階の屋根裏部分に閉じ込められているよう。
板の向こう側から、絶え間なく鳴き続けるネコ。
しかしどうすることもできません。
◆◆動いてくれない消防 どうすれば
しびれを切らして、住人の1人が消防に通報。
しかし消防の担当者は、
「それであなたは何が困っているのか」
「法律の関係で、消防が勝手に家を壊したりはできない」と話し、
ネコの救出のための出動はできないと回答しました。
衰弱を心配してでしょうか、板のすき間からエサを差し入れようとする人も。
(近所の住人)
「あ、いるいる、食べてる」
◆◆所有者と連絡がついた
と、その時。
集まって来た近所の住人の中に、この家の所有者の連絡先を知っていると話す男性が現れました。
およそ30分後。
男性からの電話を受けた家の所有者が到着しました。
所有者は、ネコの鳴き声をたよりに、家の中からも助け出せそうな場所を探しますが…。
屋根裏に繋がっている場所は見つかりません。
◆◆許可を得て 屋根裏の板外し“救助”
(家の所有者)
「(迷い込んだネコは)ちょっと黒っぽい濃いグレーの子のよう」
最終的に、家の所有者の許可を得た近所の男性が、工具を使って屋根裏の板を外し…。
発見からおよそ2時間、ネコは無事に助け出されました。
外された屋根裏の板は、ネコが再び入り込まないよう、すぐ元に戻されました。
そして。
◆◆住民の連携プレーで事なき得たが…
(家の所有者)
「横はふさがっていたんだけど、ここは空いていたみたいで」
ネコが入り込んだとみられるすき間も、きっちりとふさがれました。
街中の「空き家」で起こった騒動。
住民の連携がうまくいったことで、事なきを得ましたが…。
◆◆増え続ける「空き家」
総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」などによりますと、2023年の時点で、愛媛県内の空き家の数は、5年前の調査と比べて、およそ1万6000戸増加し、14万5700戸となりました。
国は、不要になった家を中古住宅として活用できるように、リフォームへの支援や、譲渡相続にかかる税制優遇などの制度を設け、空き家が発生しないための対策を講じています。
また県なども、「除却」に対する費用補助のほか、移住支援に合わせる形で「空き家バンク」の運用を行っていますが、空き家の増加を抑えるまでに至っていないのが現状です。