森保監督「喜びで感極まった」 国歌斉唱で目潤ませる 新サカスタ初の代表戦

国歌斉唱で涙ぐむ森保監督

 サッカーの2026年ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の日本―シリア戦がエディオンピースウイング広島(広島市中区)で行われた11日、広島のサッカー関係者らは、新スタジアム初の代表戦にサッカー人気の高まりを期待し、ヒロシマから平和が広がるよう願いも込めた。

 J1サンフレッチェ広島監督時代から、専用スタジアム誕生を願い続けた森保一監督にとって待望の瞬間が訪れた。試合前の国歌斉唱時、目を潤ませた指揮官は「ピッチとスタンドが一体になれる素晴らしいスタジアムだという喜びで感極まった」と振り返った。

 スタジアムの指定管理者であるJ1広島の仙田信吾社長は、代表戦を通した平和の国際的な発信に期待。「キャプテン翼の壁画に込められた『武器ではなくサッカーで戦おう』というメッセージを、紛争当事国のシリアの人々にも感じてほしい」と求めた。

 4万人が代表戦開催の目安の中、約2万8500人収容のスタジアムでW杯予選を行うのは異例だった。広島県サッカー協会の古田篤良会長は「広島でのW杯予選は最初で最後かもしれない。多くの人の目がサッカーに向くきっかけになれば」とかみしめた。

 この日、スタジアムを訪れた日本サッカー協会の宮本恒靖会長は「代表戦を地方の方々に見てもらうこと、新スタジアムでやることで、地域のサッカー熱の高まりにつなげたかった」と狙いを説明。今後の代表戦開催に関しても「地域にどういう効果があったかを追いかけたい」と検証する考えを示した。

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