ドラ1候補 大商大・渡部聖弥の打撃スキルは「DeNA牧2世」…広陵出身、野球エリートの現在地

大商大の渡部聖弥(C)日刊ゲンダイ

全日本大学野球選手権が昨10日に開幕し、大商大(関西六大学)が、中央学院大(千葉県大学)を1-0で下し、7年連続で初戦を突破した。

今秋ドラフト1位候補の渡部聖弥(4年=広陵)は「4番・中堅」で出場。4打数1安打だった。視察したプロのスカウトがこう言う。

「スイングスピードが速く逆方向にも大きな打球を飛ばせる。中距離打者でDeNAの牧タイプ。遠投110メートルの強肩を生かした中堅の守備力もまずまずで、内野なら三塁と一塁が守れます」

身長177センチ、88キロのガッシリした体格。広陵では高校通算30本塁打を放った。大商大では1年春からレギュラー。リーグ戦で打率.351をマークし、ベストナインと新人賞に当たる平古場賞を受賞した。3年夏には大学侍ジャパンに選ばれ、日米大学野球選手権4試合に出場。8月に行われたU-18との壮行試合でも存在感を見せた。3年秋までに通算7本塁打。

ただ、今春のリーグ戦は「個人的に悩んだところがあった」と打率.222で本塁打1。「この春は打撃のメカニックが狂っています。ドラフト年になると、プロにアピールしたいと力み、不振に陥るケースがよくある。この日の凡打の内容も良くないし、安打も変化球で崩されて当てただけ。ただ、実績はあるし、1位候補のポテンシャルの高さは誰もが認めるところ。この不振でもし撤退する球団があれば、競合が減ってラッキーと考えるところがあるかもしれません」とは前出のスカウトだ。

近年、大商大は多くのプロ野球選手を輩出している。

現役では上田大河(23年2位=西武)、高太一(23年2位=広島)、橋本侑樹(19年2位=中日)、太田光(18年2位=楽天)ら。渡部も続けるか──。

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