大坂なおみ、約5年ぶりの芝コートで第4シードに快勝!「自分のサービスに本当に満足している」と手応え<SMASH>

産休を経てカムバックを遂げた元世界ランク1位の大坂なおみ(現125位)が芝コートシーズン初戦として臨んでいる女子テニスツアー「リベマ・オープン」(6月10日~16日/オランダ・スヘルトーヘンボス/WTA250)。現地11日にシングルス1回戦が行なわれ、本戦ワイルドカード(主催者推薦)で初参戦している大坂は第4シードのエリーズ・メルテンス(ベルギー/同32位)と対戦。6-2、6-4のストレートで勝利し、初戦突破を果たした。

年明けに復帰して以降、試合を重ねるごとに調子を上げている大坂。先の全仏オープン2回戦では、同大会3連覇を成し遂げる世界女王のイガ・シフィオンテク(ポーランド)からマッチポイントを握ったものの逆転を許し、6-7(1)、6-1、5-7で敗れていた。

大坂がグラス(芝)コートの大会に出場するのは、2019年ウインブルドン以来約5年ぶり。今大会初戦で顔を合わせた元世界12位のメルテンスには過去3勝2敗と僅差で勝ち越しているが、直近である今年3月の「BNPパリバ・オープン」(WTA1000)3回戦では大坂が5-7、4-6で敗れている。だが約3カ月ぶりの顔合わせとなった今回の対決では第1、2セット共に大坂が終盤で勝負強さを発揮し、見事リベンジを果たした。

オープニングゲームをしっかりとキープした大坂は、第3ゲームでブレークポイントを握られるも得意のサービスでセーブ。すると第6ゲームではリターンから形を作り、メルテンスのミスを誘ってラブゲームでブレークを果たす。勢いそのままに第8ゲームでもメルテンスのサービスを破り、幸先よく第1セットを先取した。
第2セットに入っても大坂は安定したプレーを継続。リターンゲームではなかなかブレークできないもどかしい展開が続いたが、迎えた第10ゲームでは15-0からポイントを連取し一気にマッチポイントまで到達する。最後は力強いフォアハンドで相手の逆を突き、1時間10分で試合を締めくくった。

試合後のインタビューで大坂は現在の心境を明かすとともに、久々のグラスコートで好スタートを切れたことへの喜びを語った。

「今年は芝でプレーする初めての年みたいな感覚になっているわ。この大会自体も初出場だから、ある意味初心者のような気分ね」

「自分のサービスに本当に満足している。他のどのサーフェスよりもこのサーフェスの方がサービスに自信があったけど、すぐにその自信を身に付けることができてうれしい」

最後には今季3つ目の四大大会「ウインブルドン」(7月1日~14日/イギリス・ロンドン/芝)が約3週間後に開幕することを踏まえ、「前哨戦のこの大会でもっと多くの試合に勝てれば、より自分を信じることができるはず。それが鍵になると思う」と意気込みを示した大坂。2回戦では世界140位のスーザン・ラメンス(オランダ)と対戦する。次戦も元女王の奮闘を期待したい。

文●中村光佑

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