芸能事務所の名物社長・稲川素子さん90歳で逝去…日刊ゲンダイに明かしていたルビー・モレノの近況

稲川素子さん(C)日刊ゲンダイ

1990年代にドラマ「愛という名のもとに」や映画「月はどっちに出ている」で活躍したフィリピン出身の女優ルビー・モレノ(58)を発掘したことなどで知られる芸能事務所「稲川素子事務所」の社長・稲川素子さんが心不全のため亡くなっていたことが明らかになった。享年90。

稲川さんは142カ国、約5200人の外国人が所属する芸能事務所「稲川素子事務所」の名物社長で、外国人を専門に扱うプロモーターの先駆けとしてテレビなど数多くのメディアに自らも出演。昨年9月28日付の日刊ゲンダイ連載「あの人は今」にも登場してくれた。

稲川さんは11年前にがんを発症し、手術や放射線、抗がん剤治療を繰り返してきたそうだが取材時は明るく、「会議などの予定がないときは、学術論文を読んでいます。学ぶことが人生の楽しみです。若い頃は体調を崩し慶応義塾大学を中退したので、65歳のときに再入学し、72歳で東京大学大学院に入りました。全優の成績で修士課程を修了し博士課程に進み、今、行政学の論文の審査を受けているところです。まもなく認められ学位をいただけると思うので、卒寿の来年、すべてをまとめて公表しよう、と。ほかにも、何か新しいことをやりたいですね」と目を輝かせていた。

ブルーリボン賞最優秀主演女優賞などを受賞するなど女優として評価されるもドタキャンなどでお騒がせだったルビー・モレノの近況について尋ねると「ルビーちゃんは元気ですよ。一時はドタキャン騒動などでフィリピンに帰国も、98年に日本へ戻ってきたときは、また快く彼女を受け入れました。ときどき電話をくれて『素子さ~ん、元気~?』って、気遣ってくれます。この3月(2023年)に公開された映画『宮古島物語ふたたヴィラ』に出演していますよ」と語った稲川さん。亡くなる最期の日まで社長を務めた。

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