「自然の色とは思えない」青いカエルを発見 専門家は色素の突然変異と”数奇な運命”を指摘

福岡県内の田んぼで、透き通るような鮮やかな青色をしたアマガエルが見つかりました。

また、県内では黄色のアマガエルも見つかっています。

専門家によると、アマガエルは青の色素と黄色の色素を使って緑色の色を出すため、青色と黄色のカエルが生まれる理屈は成り立つということですが、発見にいたるのは珍しいようです。

透明感あふれる艶やかなブルー

福岡市南区の第一薬科大学付属高校。

珍しいカエルは理科室にいました。

高校生「青色のカエルです」「かわいいです」

体長およそ3センチのアマガエル。

一般的な緑色ではなく、皮膚が鮮やかな青色をしています。

現在は、福岡第一高校と第一薬科大学付属高校の水中生物研究会が飼育しています。

水中生物研究会1年 高野陽夏さん
「きれいで、珍しい色で、あんまり自然の色とは思えない感じできれいだと思いました」

水中生物研究会・顧問 太田喜視 教諭
「知り合いの農家さんの方から『草刈り中に青いアマガエルを見つけた』と連絡いただいてその日のうちに譲っていただきました」

発見した人「草刈りしていたらポンッと飛んだ」

このカエルが見つかったのは、5月19日。福岡県篠栗町の田んぼで発見されました。

発見したのは呑山辰巳さんの家族です。

呑山辰巳さん
「ここの道をですね草刈りしよったら、なんか変わったのがおるよっていって、ポンッと飛んだらしいんですよ」

様々な生き物が生息するこの場所ですが農作業をする呑山さんも青色のカエルは初めて見たといいます。

呑山辰巳さん
「娘がですね、『青色のアマガエルを見つけたよ』といってきて『何でそんなものがいるのか』と思いました。見たことがなかったけんですね」

黄色のアマガエルも見つかっている

福岡県内で発見されたカエルは青色だけではありません。

RKB 奥田千里 記者
「同じアマガエルですが、身体は黄色く、目も赤いです」

こちらは、太宰府市で見つかった黄色のアマガエル。

2021年に黄色いオタマジャクシの状態で発見されました。

専門家は「一部の色素がなくなったもの」

専門家は緑色以外のアマガエルが現れるのは、色素の突然変異によるものだと話します。

福岡県保健環境研究所 中島淳 専門研究員
「アマガエルは青の色素と黄色の色素を使って緑色の色を出していると言うことになります。今回見つかった青いカエルというのは、そのうちの黄色の色素がなくなってしまって青一色になった。青いカエル、黄色いカエル自体は県内でも時々見つかるんですけども、探して見つかるようなものではないので珍しいと言えば珍しいですね」

「すぐに食べられてしまう」

一部の色素を失った珍しいアマガエル。見つけることはさらに難しいそうです。

福岡県保健環境研究所 中島淳 専門研究員
「アマガエルは、基本的に緑色をしていて、周囲の環境によって緑から茶色とかに色を変えることができるんですけども、体の色を変えられないと目立ってしまうので、鳥とか捕食者にすぐ食べられてしまう。青色のアマガエルがいたとしても人間に見つかる割合はさらに低くなっていく」

青いカエル文化祭で一般公開へ

なかなか出会うことができない青色のカエル。

学校の理科室では、生徒たちが虫を食べる様子を観察していました。

生徒「あ、食べた!」

生徒たちはこれから大切に育てていきたいと話します。

水中生物研究会2年 田中真優さん
「立派に育ってくれればいいな」

水中生物研究会1年 谷口美紅さん
「色の変化に注目して育てていきたいなと思います」

青色のカエルは、10月に行われる文化祭などで一般公開される予定です。

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