シナー、世界1位となって故郷に凱旋「この瞬間を分かち合えるなんて最高」

シナーが全豪・デ杯・世界1位のトロフィーを持って凱旋帰郷

5月から6月にかけて行われた全仏オープンで4強入りを果たし、今週発表された世界ランクでイタリア人男子として初めて1位になったヤニック・シナー(イタリア)が、故郷であるイタリア北東部のゼクステンに凱旋。「この瞬間を分かち合えるなんて最高だ」と喜んだ。

22歳のシナーは、今年1月の全豪オープンでグランドスラム初優勝を果たすなど開幕戦から好調。すでに3つのタイトルを手にしている。全仏オープンでも順調に勝利を重ね、初のベスト4入り。同大会において、当時世界1位だったノバク・ジョコビッチ(セルビア)が4回戦後に棄権したことで、シナーが頂に立つことが決まっていた。

11日には、故郷のゼクステンに凱旋。町長ら地元関係者や住民ら大勢に出迎えられ、セレモニーにはイタリアテニス連盟のアンジェロ・ビナギ会長やシナーの家族らも出席。また、全豪オープンや男子国別対抗戦デビスカップ、そして初めて世界ランク1位になった際のトロフィーを携えて、テニスを始めた時のテニスセンターを訪問。集まった500人の子どもたちからの質問に答えたり、サインやセルフィーを撮るなどにも対応したという。

ATP公式サイトには、シナーのコメントが掲載され、「生まれた場所、家族が育ててくれた場所に戻るのは素晴らしい気分。故郷に帰ってくると、いつも頭に思い出が浮かんでくる。スキーに行ったり、子どもの友達と遊んでいる姿を思い出すよ」

「故郷を感じられるし、生まれた場所をとても誇りに思う。この美しい場所に何か恩返しできることは素晴らしいことだよ」

イタリア人の世界ランク1位は男女を通じて初めてのこと。「イタリアのファンの反応はいいものだと思う。彼らは僕が苦しんでいる時にたくさんのエネルギーをくれた。彼らや僕を支えてくれる人たちとこの瞬間を分かち合えるなんて最高だ」と喜んだ。

世界ランク1位に輝いたとはいえ、シナーはまだ22歳。これからのキャリアについて「プレッシャーと期待に耐えなければならない。キャリアは続くし、ゴールは決して終わらない」と楽観視はしておらず、気を引き締める。「昨年はウィンブルドンの準決勝に進出したことでグラスコートでの自信がついた。今年はハレのATP500でいいスタートを切りたい」と、次の目標に目を向けた。

© 株式会社キャピタルスポーツ